秋田と台湾を結ぶチャーター便は、去年の12月10日に4年ぶりに復活してから丸1年が経ちました。
利用は好調で、期間を延ばして運航を続けていて、来年3月までの継続が決まっています。
台湾から男鹿を訪れたツアーに密着してみると、意外なことも分かりました。
台湾からのツアー客が、15日、男鹿市の北浦地区を訪れました。
3つのツアー合わせて約100人。
いずれもチャーター便とバスを使ったツアーで、目当てはユネスコの無形文化遺産にも登録されている「男鹿のナマハゲ」です。
日本各地に伝わる、1年に一度、節目に神様が人間の世界を訪れる「来訪神」行事。
寸劇は全て日本語です。
この時間帯は、通訳の添乗員がいなかったため、なまはげとのやりとりの面白さが十分伝えきれていないようでした。
それでも、ツアー客は、雰囲気を味わいながら、物珍しい秋田の文化を楽しんでいました。
今回のツアー客は、全員、男鹿観光ホテルに泊まりました。
ここでは、台湾からの観光客の“意外”な楽しみが判明します。
それは「ホテルの売店での買い物」です。
ツアー客に配られたクーポンを使って、カップ麵などの食べ物をたくさん買っていきます。
日本の食品は品質が良いとして、売店の棚が空になるほどの人気ぶりでした。
ホテルで働いて10年以上になるフロントマネージャーの大森祐稀さんが慌てて取りに行ったのは、スマートフォン。
翻訳アプリを使ってコミュニケーションを取ります。
手軽に通訳してくれるアプリはフロントの必需品です。
このホテルは、チャーター便の運航で、利用者がコロナ禍前の倍になったそうです。
大森祐稀フロントマネージャー
「大体日曜日木曜日が多いですけども、大盛況なので、もう今後も継続していただきたいなって思うところでございますね」
ディレクター
「大変だなって思う気持ちはありますか?」
大森さん
「大変ですけど、でも楽しい時間が多いので、結構皆さんと分からないながらもこう通じ合ったりとか、会話出来たり出来るので、そこはありがたいと思っています」
夕食は「男鹿の石焼料理」。
新鮮な魚介を桶に入れて、800度に熱した石で一気に沸騰させる、男鹿の名物です。
台湾からのチャーター便が復活して1年。
少しずつ、秋田のことも知られるようになり、ほかの県で発着する台湾チャーター便で、男鹿を訪れる人も増えているそうです。
県によりますと、秋田と台湾のチャーター便が運航されてから、延べ1万3000人以上が台湾から秋田を訪れています。
関連産業を含めた経済波及効果は、1年間で約10億円にのぼると見込まれていて、さらなる秋田のPRが経済活性化に重要になりそうです。