禁漁解禁後、最も遅いながらも、15日、ようやく初漁を迎えた季節ハタハタが、16日、早速秋田市民市場の鮮魚店で売りに出されました。
ただ、値段はこれまでで最も高くなっています。
県内の漁港では16日、水揚げはなく、この先、値段が落ち着く見通しは立っていません。
水戸谷卓記者リポ
「秋田市のこちらの市場では、おととい(14日)とれたハタハタが店頭に並びました。すいません。こちらのハタハタ1箱いくらですか?」
安田昭夫さん
「いくらって正直言います。(1箱)3万6000円」
秋田市民市場にある鮮魚店では、14日、男鹿市の北浦漁港で水揚げされたハタハタが売りに出されました。
ただ、値段は、メス18匹2キロほどで3万6000円です。
70年あまり続くこの店で売り出すハタハタの中で最も高くなっています。
安田さん
「3万6000円、本当に。これただ俺、もう買ってくれる人いれば売るけど。原価だ、仕入れ値だ」
客
「手が出ません」
目を見張るような値段に買い物客は。
「あれで(1箱)6800円って言った。北海道産で」
ー秋田県産は買わなかった?
「とてもとても。3万いくらですよ、あれで」
ー1箱3万6000円。
「どれ?」
ーあの、男鹿産のやつ
「3万…そんたの、かね(食えね)!」
「ん~やっぱりもうとれないんだなと」
「悲しいっちゅうか寂しいっちゅうかね、そういう気持ちになるね」
北浦産のハタハタは、1匹あたり2000円。
隣で売られていた北海道産のメスと比べて5倍の値段です。
安亀商店 安田昭夫 店長
「2万超えっていうのはあったんですよ。2万超えは。暮れの一番最後ぐらいにね。だけど、3万6000円は初めてです」
「欲しい人の声っていうかそれに応えようと、まぁ商売ですから、ただそこには値段があるので、いくらでもいいかと言われるとね、でもやっぱり並べたいなと思って仕入れました」
鮮魚店の安田昭夫店長は、「今後安定した量が入ってくれば価格は落ち着いてくるだろう」と話していました。
北浦漁港では、16日朝も、共同で操業する調査船が海に出て、漁師がそれぞれ船を出せるほどのハタハタが接岸しているかを確かめました。
港には、吉報を待つ漁師の姿も。
漁師
「(沖合い)の底引きでもねぇからほら、ないないって言われてるから。去年はないって言ってちょっとでも来たからちょっと期待持ってるども、だんだんだんだん遅くなってくれば…」
「昔のようにああいう量でなくても、本当に1升でもいいからとれればな」
北浦漁港を含む漁協の管内では、14日、4キロの水揚げがあり、15日は2キロあまりとれました。
2日分合わせて、15日、県内の漁港で、今年初めて競りが行われました。
資源保護のための禁漁が明けた1995年以降、最も遅い初漁日です。
ほかの漁港からは、まだ初漁の便りは届いていません。
「あ~、いねでぇ!」
16日朝は、北浦漁港でもハタハタは1匹も網にかかっていませんでした。
「今年もこれ、よいでねかもしれね。まだ分からねどもな」
17日こそは大量の季節ハタハタを。
漁師たちが気をもむ日々が続いています。