この夏のパリオリンピック、レスリング男子グレコローマンで金メダルを獲得した文田健一郎選手が22日秋田市を訪れ、中学生アスリートに自分の体の特徴を理解したうえで技に磨きをかけることが大切だと伝えました。
秋田市を訪れたのはパリオリンピックの金メダリスト文田健一郎選手です。
レスリングの男子グレコローマン60キロ級で日本勢としては40年ぶりの金メダル獲得を成し遂げました。
様々な競技で将来の活躍が期待される県内の中学生アスリートを前に、パリオリンピックまでの自身の歩みを振り返りました。
文田健一郎選手
「2020年の東京オリンピックで金メダルをとろうって決めて、レスリングに取り組み続けたので(2021年)決勝で負けて2番になった瞬間っていうのは、今までの人生をすべて否定されたというか、今までやってきたこと全部間違ってた、なんで俺レスリングやってたんだろうと思うくらい、すごくショックな出来事でした」
獲得した銀メダルを自分の部屋の見えないところにしまうほどショックを受けたという文田選手。気持ちを妻に打ち明けるうちに現実を受け入れられるようになり、次第に3年後のパリへと気持ちが向かっていったといいます。
文田健一郎選手
「死ぬほど悔しい経験があったから、今回金メダルをとれたんだなとすごく思えたので、そこからは、もちろん金メダルも大事なんですけど、それ以上に銀メダルのことをすごく大切に思っているというか、あの経験があったからって思えるので、それがすごく一番変化したこと」
文田選手が得意とするのは、持ち味である体の柔らかさを生かした投げ技です。自分の体の特徴を理解したうえで技に磨きをかけることが大切だと話します。
文田健一郎選手
「柔らかかったら有利かとか、堅かったら不利か、そういうことではなくて、堅い人は堅いなりのレスリング、柔らかい人は柔らかいなりのレスリングがあるので、それを自分で自分の体の特性を知って理解して、その特性を生かしたレスリングを見つけられるか、それで勝てるかっていうのはすごく難しいところでもあるんですけど、すごく面白いところでもあります」
将来の活躍が期待される中学生たちに、文田選手はまずは自分が取り組む競技を好きになってほしいと伝えました。
文田健一郎選手
「ふわっとその競技が好きっていう部分からもう一歩踏み込んで、自分が何に対してすごくモチベーションになっているのかっていうのを分析すると、より競技にのめり込みやすくなる」
文田選手は、次の具体的な目標はまだ決まっていないものの、年が明けてから、再び本格的に練習に打ち込んでいきたいと話していました。