【AFP=時事】アルバニアに住むリナさん(仮名)が娘を妊娠していることが分かると、夫は4人目も男の子ではなかったことに腹を立て、暴力を振るうようになった。リナさんは人工中絶を選んだ。
家父長制度が根強いアルバニアなどバルカン半島一帯では、男児を望む家庭が多い。このため、リナさんのように、女児を中絶する女性も増えている。
リナさんはAFPに、「4人目も女の子で男の子じゃないと知ると、夫は暴力を振るい、私は死にかけた」と涙ながらに語った。
男児を望む親によって女児の中絶が長年続けられた結果、最も少なく見積もっても、アルバニアからは万単位の女児が「いなくなった」と推定される。
国連人口基金のアルバニア担当者はAFPに「過去10年間で、2万1000人の女児が消失した」と話した。
国連がまとめた研究によると、すでに娘がいる家庭を対象にした調査で、約25%がもう1人娘を持つくらいなら中絶を選ぶと回答した。
■いびつな社会
国連の統計によると、アルバニアの2000~20年の新生児の男女比は平均で男111に対して女100と、世界で4番目に男女比の差が大きい国だった。
専門家によると、生物的には男105に対し、女100とされる。
アルバニアでは人工妊娠中絶は12週目まで合法で、それ以降は医師からの特別な許可が必要となる。
胎児の性別を理由にした妊娠中絶は禁じられている。
ただし、妊娠7週目に受けられる簡単な血液検査による胎児の性別判断が広く行われており、女児の中絶を抑止するのは難しい。この検査に医師の許可は不要で、確度は90%とされる。
首都ティラナの調査報道ジャーナリストで女性の人権活動家でもあるアニラ・ホッジャ氏によると、バルカン半島の大半の国で、男児は「大黒柱」になるが、女児は「重荷もしくは好戦的社会における弱い性」だと考えられている。
UNFPAの取材に答えたマリアさん(仮名)は、おなかの子が女だと知った夫の母親と兄弟から中絶をするよう強い圧力を掛けられた。
しかしマリアさんは圧力に屈せず「子どもを産むことを決めた」。娘には出産をめぐる義母との対立について伝えるつもりはないと話した。
【翻訳編集】AFPBB News
家父長制度が根強いアルバニアなどバルカン半島一帯では、男児を望む家庭が多い。このため、リナさんのように、女児を中絶する女性も増えている。
リナさんはAFPに、「4人目も女の子で男の子じゃないと知ると、夫は暴力を振るい、私は死にかけた」と涙ながらに語った。
男児を望む親によって女児の中絶が長年続けられた結果、最も少なく見積もっても、アルバニアからは万単位の女児が「いなくなった」と推定される。
国連人口基金のアルバニア担当者はAFPに「過去10年間で、2万1000人の女児が消失した」と話した。
国連がまとめた研究によると、すでに娘がいる家庭を対象にした調査で、約25%がもう1人娘を持つくらいなら中絶を選ぶと回答した。
■いびつな社会
国連の統計によると、アルバニアの2000~20年の新生児の男女比は平均で男111に対して女100と、世界で4番目に男女比の差が大きい国だった。
専門家によると、生物的には男105に対し、女100とされる。
アルバニアでは人工妊娠中絶は12週目まで合法で、それ以降は医師からの特別な許可が必要となる。
胎児の性別を理由にした妊娠中絶は禁じられている。
ただし、妊娠7週目に受けられる簡単な血液検査による胎児の性別判断が広く行われており、女児の中絶を抑止するのは難しい。この検査に医師の許可は不要で、確度は90%とされる。
首都ティラナの調査報道ジャーナリストで女性の人権活動家でもあるアニラ・ホッジャ氏によると、バルカン半島の大半の国で、男児は「大黒柱」になるが、女児は「重荷もしくは好戦的社会における弱い性」だと考えられている。
UNFPAの取材に答えたマリアさん(仮名)は、おなかの子が女だと知った夫の母親と兄弟から中絶をするよう強い圧力を掛けられた。
しかしマリアさんは圧力に屈せず「子どもを産むことを決めた」。娘には出産をめぐる義母との対立について伝えるつもりはないと話した。
【翻訳編集】AFPBB News