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野犬の捕獲・殺処分認める法案可決 野党が抗議 トルコ

AFPBB News 2024年7月31日 12時49分

【AFP=時事】トルコで30日未明、野犬の捕獲、場合によっては殺処分まで許可する法案が可決されたのを受け、野党は憲法裁判所に異議を申し立てる意向を表明した。同国の野犬は約400万匹に上るとみられている。


 同法案をめぐっては、野犬の大量殺処分につながると動物愛護団体は懸念を示しているが、政府はそうした考えを否定。法案は、最終読会で野党が抗議する中、51票差で可決された。


 野党議員らは審議の間、血を思わせる赤い塗料を付けた白い手袋をはめて抗議。主要野党の共和人民党(CHP)のオズギュル・オゼル(Ozgur Ozel)党首は「早急に憲法裁判所に提訴する。この法律は、動物の生きる権利を侵害している」と訴えた。


 同党の議員の一人も、「きょうは暗黒の日だ。歴史も人類も、『賛成』票を投じた者を許さないだろう」と非難した。


 政府は、野犬による襲撃の増加や狂犬病のまん延を防ぐため、病気、または抑制不可能と判断された野犬を殺処分するべきだと主張。その他の野犬は捕獲して動物保護施設に収容し、「里親」を見つけ出さなければならないとしている。


 しかし、野犬の数があまりに多いことから、動物保護施設や里親制度に頼る対策は実現不可能だと批判する声が上がっている。こうした人々は代わりに、不妊・去勢手術とワクチン接種の徹底を提唱している。


 政府が今回可決した法案をめぐって人々が想起したのは、1910年の悲劇的な出来事だ。トルコ当局はイスタンブールで約6万匹の野犬を一斉捕獲し、マルマラ海(Sea of Marmara)の無人島に送り込んだ。岩だらけの島には食べ物が一切なく、犬たちは共食いに追い込まれた。

【翻訳編集】AFPBB News

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