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反捕鯨団体創設者、勾留延長 グリーンランド

AFPBB News 2024年8月16日 9時42分

【AFP=時事】デンマーク自治領グリーンランドの政庁所在地ヌーク(Nuuk)で先月拘束され、日本が身柄引き渡しを求める反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の創設者、ポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者(73)について、同地の裁判所は15日、9月5日までの勾留延長を決定した。警察によると、ワトソン容疑者側は、決定を不服として上訴した。


 現地警察によると、裁判所は引き渡し問題の審理に関連して、ワトソン容疑者の出席を確実にするためとして、勾留延長を決めた。


 ワトソン容疑者は手錠を掛けられて退廷する際、AFPに対し、同氏の勾留は「日本の違法な捕鯨活動に対する圧力を強める」と語った。


 リアリティーTVシリーズ「Whale Wars(ホエール・ウォーズ)」への出演で知られるワトソン容疑者は、海上での捕鯨船団との衝突など、過激な戦術で知られている。


 ワトソン容疑者は、日本の要請を受けて国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)が2012年に発行した「赤手配書」に基づき逮捕された。2010年に南極海で日本の捕鯨船に対する妨害行為を指示したとして、海上保安庁が傷害と威力業務妨害の疑いで逮捕状を取得、国際手配していた。


 勾留期間延長に関する審理を傍聴したシー・シェパードのラミヤ・エセムラリ(Lamya Essemlali)仏支部長は、弁護団は「日本が証拠を捏造(ねつぞう)したことを示す映像」の提出を認められなかったとAFPに語った。


 日本は、2010年の衝突でワトソン容疑者が捕鯨活動を妨害するために悪臭弾を使用し、日本人乗組員を負傷させたと非難している。


 審理前にAFPの取材に応じた弁護人の一人、ジュリー・ステージ(Julie Stage)氏は、「悪臭弾が投げられた時、この(負傷した)乗組員がその場にいなかった」ことを示す「ホエール・ウォーズ」の映像を裁判所に提出するつもりだと述べていた。


 ステージ氏は、この乗組員が負傷したとすれば、原因は捕鯨船側がシー・シェパードに向けて投げた催涙弾しかないと主張。「ワトソン氏に対する身柄引き渡し要求は、明らかに誤った事実に基づくものだ」と非難した。


 14日は勾留延長に関する審理のみで、身柄引き渡しや罪状に関する審理は行われなかった。


 日本に身柄を引き渡すかどうかは、独立して判断される。


 まずグリーンランド警察が引き渡しの根拠があるかどうかを判断し、その後、デンマーク司法省が引き渡しを進めるかどうかを判断する。これらに関する日程は発表されていない。


 デンマークのピーター・ホメルゴー(Peter Hummelgaard)法相は15日、AFPに対し、「日本当局からの正式な引き渡し要求と付随する文書の審査を現在進めている」と述べた。

【翻訳編集】AFPBB News

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