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ノルウェー王女、シャーマンと挙式 王室の商業利用に批判も

AFPBB News 2024年9月3日 13時40分

【AFP=時事】ノルウェーのマッタ・ルイーセ王女(Princess Martha Louise、52)が8月31日、シャーマンを自称する米国人男性デュレク・ベレット(Durek Verrett)氏(49)と結婚式を挙げた。代替医療の信奉者同士の結婚に、ノルウェー国民は眉をひそめている。


 マッタ・ルイーセ王女は、ハラルド国王(King Harald)とソニア王妃(Queen Sonja)の長女。王位継承順位は、弟のホーコン皇太子(Crown Prince Haakon)とその子ども2人に次ぐ第4位。離婚歴があり、前夫との間に3人の娘がいる。自分には霊能力があり、天使と会話できると主張。この「才能」を活用し、著書や講演で利益を得ている。


 米カリフォルニア州出身のベレット氏は「シャーマンの家系の6代目」を自称。著書の一つで、がんは選択の問題だと主張し、女性の膣に過去の性的パートナーが残した「刻印」を取り除くためのエクササイズを推奨している。


 ウェブサイトでは「魂の最適化ツール」だとするメダルを222ドル(約3万2000円)で販売。このメダルは、自身が新型コロナウイルスに感染した際の回復に役立ったと主張している。


 王女は2022年6月の婚約発表後、「私はとてもスピリチュアルな人間で、それを受け入れてくれる人と一緒にいられるのは本当に素晴らしいことだ」とインスタグラムに投稿した。


 結婚式8月31日午後、ノルウェー西部のフィヨルドにある風光明媚(めいび)な村、ガイランゲル(Geiranger)の丘の上に立つホテルで執り行われた。


 二人は式について報じる権利を販売。会場を白いテントで覆い、独占契約を結んだ芸能誌「Hello!」や動画配信大手ネットフリックス(Netflix)だけに取材を許可したことで、ノルウェーメディアの怒りを買った。


 ノルウェーメディアが撮影した写真によると、マッタ・ルイーセ王女は伝統的な白いウエディングドレスと、祖父である故オラフ国王(King Olav V)から18歳の誕生日に贈られたティアラを着用していた。


 ベレット氏は黒いスーツに金色のカマーバンドという格好だった。


 ハラルド国王とホーコン皇太子はダークスーツを着ていたが、他の王族はウール素材の生地に刺しゅうの施されたノルウェーの伝統衣装「ブーナッド」を身に着けてた。


 祝賀行事は8月29日の交流会で始まり、350人以上の招待客が出席した。


 ベレット氏によると、二人はすでに結婚の誓いを交わしており、31日の結婚式はそれを更新するものだったという。


 同氏は自身の前世は古代エジプトのファラオ(王)で、マッタ・ルイーセ王女はその妻だったとも主張。グウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)さんやアントニオ・バンデラス(Antonio Banderas)さんら、米ハリウッド(Hollywood)のスター俳優からも崇拝されている。


 二人の奇行は、科学を無視し、王室を商業利用していると現実的なノルウェー国民から批判されている。


 マッタ・ルイーセ王女は2022年11月、自身の役割に関する混乱を避けるため、公務から離脱。王女の称号は維持したが、商業利用しないことに同意した。


 だが、王女は何度もこの合意を破っている。直近では、二人の結婚を記念した「ウエディング・ジン」をノルウェーで販売し、ボトルのラベルに王女の称号を使用した。


 歴史家で王室専門家のトロント・ノレン・イサクセン(Trond Noren Isaksen)氏は7月にコラムで、「合意が守られていない点を考えると、ハラルド国王の生涯の功績がこれ以上台無しにされる前に、今こそマッタ・ルイーセの王女の称号を剥奪すべき時だ」と訴えた。

【翻訳編集】AFPBB News

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