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男子テニスに新時代 シナー、アルカラスの2人が主役に

AFPBB News 2024年9月10日 16時26分

【AFP=時事】今年の男子テニス界は、ヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)とカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)の2人が四大大会(グランドスラム)のタイトルを分け合い、新時代の主役としての地位を確立した。


 23歳のシナーは8日の全米オープン(US Open Tennis Championships 2024)決勝でテイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)に快勝し、1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)に続くグランドスラム2勝目を飾った。


 グランドスラム初優勝を果たしたシーズンに2勝目も挙げるのは1977年のギレルモ・ビラス(Guillermo Vilas、アルゼンチン)以来で、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ピート・サンプラス(Pete Sampras、米国)、アンドレ・アガシ(Andre Agassi、米国)も成し遂げられなかった快挙となった。


 シナーの2歳年下の21歳アルカラスも今季の全仏オープン(French Open 2024)とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2024)を制し、すでにグランドスラム4勝を手にしている。


 シナーは全米決勝後に新たな時代の到来を感じるかと問われ、「今までと少し違うのは間違いない。新しいチャンピオンや新しいライバル関係が見られるのは良いことだ」と述べた。


 シナーは今季ツアー6勝、アルカラスは同3勝を記録し、ともに通算15勝を挙げている。


 アルカラスは全米で2回戦敗退に終わったが、フェデラー、ナダル、ジョコビッチの「ビッグ3」より早くグランドスラムの歴史をつくろうとしている。ビッグ3がグランドスラム4勝目を記録したのはいずれも22歳を過ぎてからだが、アルカラスは来年1月の全豪オープンで優勝すれば、21歳にして生涯グランドスラムを達成することになる。


 37歳のジョコビッチは男子最多のグランドスラム通算24勝を誇るが、今季は2017年以来となるグランドスラム無冠に終わり、女子のマーガレット・コート(Margaret Court、オーストラリア)を抜いて単独最多に伸ばすことはできていない。


 フェデラーはすでに現役を退き、38歳のナダルもけがに悩まされ、引退が間近に迫っている。「ビッグ3」が一人もグランドスラムで優勝できないのも、2002年以来のこととなった。


 26歳にして初めてグランドスラム決勝の舞台に立ったフリッツも、今は以前より可能性が開かれていると指摘し、「信じられないようなプレーをしなくても大会の上位に進出し、戦うことができる」「トップ選手を倒すには最高のテニスをする必要がまだあるが、安定したプレーをすれば準々決勝くらいまでは行ける」と語る。


 ジョコビッチは今週末に開催される国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup)、パリ五輪を最後に実戦から遠ざかっているナダルも20日開幕のレーバー・カップ(Laver Cup)で復帰する予定だが、この20年の男子テニス界を席巻してきた二人も時間が残り少なくなってきており、今後は将来に関する質問を受けることがさらに多くなるとみられる。

【翻訳編集】AFPBB News

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