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各国首脳、レバノンでの全面戦争回避を呼び掛け 国連総会

AFPBB News 2024年9月25日 15時40分

【AFP=時事】国連総会(UN General Assembly)で24日、一般討論演説が始まり、各国首脳はイスラエルに対し、レバノンでの全面戦争を回避するよう呼び掛けた。25日には、レバノンに関する国連安全保障理事会(UN Security Council)の緊急会合が予定されている。


 レバノン当局は、イスラエルの攻撃による死者は558人に上っていると発表。うち50人は子どもだとしている。


 国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は冒頭で、「われわれは事態の悪化を警戒しなければならない。レバノンは瀬戸際に立たされている」「レバノンがもう一つの(パレスチナ自治区)ガザ地区(Gaza Strip)になる恐れがある」と警鐘を鳴らし、ガザの状況は「終わりのない悪夢」だと主張した。


 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は任期最後の一般討論演説に臨み、「全面戦争は誰の利益にもならない。事態はエスカレートしているが、外交的解決はまだ可能だ」と主張。「(イスラエルとレバノン)両国の市民が避難先から国境地帯に無事帰還できるようにすることが、持続的な安全保障への唯一の道だ」と訴えた。


 この発言を受け、レバノンのアブドラ・ハビブ(Abdullah Bou Habib)外相は、イスラエルの空爆により避難を余儀なくされたレバノン国民は50万人に達する見込みだとした上で、バイデン氏の主張では「レバノンの問題解決にはならない」と落胆を示した。


 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、イスラエルが中東全域を「戦争に引きずり込んでいる」と非難。「ガザでは子どものみならず、国連のシステムも死にかけている」と痛烈に批判した。


 一方、イスラエルのダニー・ダノン(Danny Danon)国連大使は、同国はレバノンに対する地上侵攻に「乗り気なわけではない」と述べ、「わが国の若者を他国に派兵したくはない」と主張。


 その上で、「国連事務総長が人質となっているわが国民の解放について語ると、国連総会は沈黙するが、ガザ地区の苦難について語ると、割れんばかりの拍手が起こる」とし、国連総会の議論は「毎年恒例の茶番劇だ」と非難した。

【翻訳編集】AFPBB News

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