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引退表明のナダル、輝かしいキャリアで成し遂げた数々の偉業

AFPBB News 2024年10月11日 10時14分

【AFP=時事】男子テニスで四大大会(グランドスラム)通算22勝を誇る38歳のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が10日、現役引退の意向を表明した。


 11月に行われる国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2024)の決勝トーナメントを最後に、現役を退くことになる。


 ナダルはソーシャルメディアに投稿した動画で「プロテニスから引退する。ここ数年、とくにこの2年は厳しかった」「難しい決断で、下すまでに少し時間がかかった。だが、人生においては何事にも始まりと終わりがあるものだ」と語った。


 現在は世界ランク158位に沈んでいるナダルは「長く、想像していた以上に成功したキャリアに終止符を打つには、今が適切な時期だと思う」「最後の大会がデビスカップで、母国を代表して出場できることにとても興奮している。一周回って元の場所に戻ってきたと思う」と述べた。


 約20年にわたるプロのキャリアでツアー通算92勝を挙げ、賞金総額だけでも1億3500万ドル(約201億円)を稼いだ。


 中でもクレーコートの全仏オープン(French Open)では、当時19歳でトロフィーを掲げた2005年から最年長優勝者となった22年まで通算14回の大会制覇を成し遂げ、計115試合で敗れたのはわずか3試合という圧倒的な強さを見せつけた。


 グランドスラムでは他に、全米オープン(US Open Tennis Championships)で4度(2010年、13年、17年、19年)優勝し、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)では2009年の初優勝から13年後の22年に2度目のタイトルを獲得した。


 グラス(芝)コートは最も苦手なサーフェスと思われていたが、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)では2008年と10年の2度にわたって優勝している。特にロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と激突した08年の決勝はフルセットの激闘にもつれて試合終了がほぼ日没になり、歴史的な名勝負として語り継がれている。


 ナダルは2008年の北京五輪男子シングルスで金メダルに輝き生涯ゴールデンスラムを達成し、デビスカップでも5度の優勝を経験した。世界ランキングでは2004年から22年まで毎年最低1回の優勝を記録するなどして計209週間トップに君臨し、これまで計5度にわたって年間1位も達成。2005年シーズンから今年3月までトップ10陥落は一度もなかった。


 ビッグ3のライバル対決では、2022年に引退した長年の宿敵で親友でもあるフェデラーに通算24勝16敗と勝ち越している。また、2022年の全豪オープンでは自身21回目のグランドスラム制覇を果たし、フェデラーが樹立した当時歴代1位の同20勝を更新した。


 一方、現歴代最多のグランドスラム24勝を誇るノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とは、60回対戦して通算29勝31敗となっている。


 これまで数々の記録を打ち立てる輝かしいキャリアを誇った一方で、全力のパフォーマンスや強打のプレースタイルの副産物としてけがに悩まされ続けたナダル。地元スペイン・マラガ(Malaga)で来月行われるデビスカップで再びカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz)とタッグを組み、母国に通算6度目の優勝をもたらして有終の美を飾ることを目指す。

【翻訳編集】AFPBB News

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