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米紙ワシントン・ポスト、大統領選で支持候補表明せず

AFPBB News 2024年10月26日 11時17分

【AFP=時事】米有力紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は25日、11月の大統領選で民主党候補のカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領と共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領のいずれも支持しないと表明した。同紙は、米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)創業者で富豪のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏が所有している。


 ウィリアム・ルイス(William Lewis)最高経営責任者(CEO)は、「大統領選で特定候補を支持しないという本紙の原点回帰だ」と説明している。


 しかし、同紙の編集委員会は過去40年間、大半の選挙で民主党候補を支持してきた。


 今や新聞の社説にかつてのような強い政治的影響力はない。だが、「民主主義は暗闇の中で死ぬ(Democracy dies in darkness)」というスローガンを掲げるワシントン・ポストは、今も首都ワシントンのエリート層への影響力を保持している伝統的メディアの一つ。


 トランプ陣営は喜々としてこの知らせに飛びつき、「ハリスがあまりにもひどいので、ワシントン・ポストは二度と大統領選で特定候補を支持しないと決めた」と主張している。


 ワシントン・ポストの従業員が所属する労働組合「ワシントン・ポスト・ギルド(Washington Post Guild)」は「深い懸念」を表明。「忠実だった読者が既に離れ始めている」と指摘した。


 米メディアは、同紙の重鎮で報道記者のロバート・ケーガン(Robert Kagan)氏が抗議のため辞任したと報じている。


 ワシントン・ポストの決定は、ロサンゼルス・タイムズの同様の決定に続くもの。


 ロサンゼルス・タイムズの編集長だったマリエル・ガルサ(Mariel Garza)氏によれば、同紙編集委員会はハリス氏支持を表明しようとしたが、億万長者のオーナーによって阻止された。ガルサ氏はこれに抗議して辞職したとされる。


 ワシントン・ポスト電子版によれば、同様にベゾス氏が介入し、ハリス氏支持を表明する同紙編集委員会の社説の掲載を阻止した。だが、同紙幹部に近い筋はAFPに対し、この主張は「不正確」だと指摘した。


 一方、ニューヨーク・タイムズは9月にハリス氏を「大統領選における唯一の愛国的な選択肢」だとして支持を表明。トランプ氏については、「米大統領としてこれほど不適格な候補者は想像し難い」とこき下ろした。


 激戦州ペンシルベニアで最も発行部数の多いフィラデルフィア・インクワイアラーも25日、ハリス氏支持を表明。「有権者は、容易だが大きな選択に直面している」と記した。


 対照的に、「メディア王」ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏が所有する大衆紙ニューヨーク・ポストは同日、トランプ氏支持を表明。「米国は、当代の英雄、ドナルド・トランプ再選への準備ができている」と主張した。

【翻訳編集】AFPBB News

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