シナーが快勝発進、怒り爆発のメドベは黒星 ATPファイナルズ

【AFP＝時事】男子テニスのシーズン最終戦、ATPファイナルズは10日、イタリア・トリノでシングルスのラウンドロビンが開幕し、大会第1シードのヤニック・シナー（イタリア）は6-3、6-4のストレートで第7シードのアレックス・デミノー（オーストラリア）に快勝し、初優勝に向けて初戦を白星で飾った。優勝経験者のダニール・メドベージェフはテイラー・フリッツ（米国）に敗れた。

大会初出場となるデミノーとの対戦で、優勝した10月の上海マスターズ以来の実戦に臨んだシナーは、第1セットの序盤にサービスゲームをブレークされて一瞬ピンチに陥ったが、すぐに立ち直って4ゲームを連取すると、最初のセットポイントを獲得してこのセットを先取。最後はサービスエースからのラブゲームで気持ちよく試合を締めくくり、地元ファンの拍手を浴びた。

イリ・ナスターゼグループ首位に立ったシナーは、12日にフリッツと対戦する。

シナーは「4週間、公式戦から離れていたことを考えると、この大会のスタートとしては素晴らしい。何とかこのレベルでプレーできてよかった」と語り、「最初は少しよくない場面もあったが、普通のことだ。徐々に自分を取り戻せたのがすごくうれしい」と振り返った。

一方、第4シードのメドベージェフは自分のふがいないプレーに冷静さを失い、4-6、3-6で第5シードのフリッツに敗れた。

2020年大会の王者で、その翌年にも準優勝しているメドベージェフだが、第1セットを落とすとラケットを破壊。さらに第2セットにサービスゲームをブレークされてゲームカウント2-4とされると、状況はさらに悪化し、コートサイドのマイクにラケットを投げつけてペナルティーを受け、ラケットの面の方を持ってリターンに臨む姿も見せた。

観客からやじを浴びたメドベージェフは試合後、シーズン終了を望んでいるかと尋ねられ「間違いなくね」と答えると、「自分ではどうしようもないことと戦うのに疲れた」とコメント。「このあとどうなるか見てみる。実際、きょうはチャンスがあった。次の試合でもあるだろう。うまくいかなければ、休暇に行く。それで幸せだ」と語った。

【翻訳編集】AFPBB News