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トランプ関税の影響、自動車から食品まで 値上がりする輸入品は?

AFPBB News 2024年11月27日 17時32分

【AFP=時事】ドナルド・トランプ次期米大統領がカナダやメキシコなどに追加関税を課す方針を表明したことについて、専門家は26日、両国製品の関税が引き上げられた場合、自動車や建材のコストが上昇する可能性があるとの見方を示した。中国製品も対象とされ、電子機器や電池といった製品の米国の対中依存度はなお高いため、同様に消費者物価上昇につながるとみられる。

「トランプ関税」で価格上昇リスクにさらされる製品を予想した。

■カナダ:エネルギー・建設

米議会調査局(CRS)は7月、米加間の貿易関係は重要であり、エネルギーおよび自動車市場が高度に統合されていると指摘した。2023年のカナダの輸出品の80%近くが米国向け、輸入品の約半分は米国からだ。

米国はカナダから原油、天然ガス、電力を輸入しており、米国にとって最大のエネルギー供給国となっている。

英調査会社オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、ライアン・スウィート氏は、カナダ製品に25%の関税が上乗せされれば輸入燃料に影響し、エネルギーコストが上昇するリスクがあると警告した。

「2026年の中間選挙はそれほど先ではなく、有権者はインフレを忘れないだろう」とAFPに語った。

スウィート氏は、米国はカナダから建設資材も輸入しており、住宅建設コストの上昇をもたらす可能性もあると話した。

■メキシコ:食品、自動車

CRSによれば、米国はメキシコの最も重要な貿易相手国であり、メキシコの輸出品の80%を受け入れている。

米政府統計によると、23年にメキシコは20年ぶりに中国を抜き、最大の対米輸出国となり、米国のメキシコからの輸入額は4845億ドル(約74兆円)に達した。

25%の追加関税は、数十億ドル相当の対米自動車輸出に重くのしかかり、医療機器・装置にも影響を与えるだろう。

ピーターソン国際経済研究所の非常勤シニアフェロー、ゲーリー・ハフバウアー氏は、車両コストは約10%上昇する可能性があると推定する。

農産物も影響を受けそうだ。米農務省統計によれば、23年の米国の野菜輸入の60%以上と、果物とナッツの輸入のほぼ半分がメキシコ産だった。

ハフバウアー氏は、メキシコの新鮮な果物や野菜の輸入コスト上昇は、消費者にまるまる転嫁される可能性があると予測している。


■中国:早期の譲歩はない?

米シンクタンクのアトランティック・カウンシルは今月、23年の米国の中国からの輸入品のうち30%近くがスマートフォンやパソコンといった消費財、リチウムイオン電池などで占められていたと指摘。

「これらの製品について、米国の対中依存度は2017年以降ほとんど変わっていない。実際には、その間に電池輸入に関しては中国製のシェアは拡大した」と分析している。

トランプ氏の1期目に、数千億ドル相当の対中関税が導入されたにもかかわらず、である。

10%の追加関税が課されれば、消費者に影響を与えることなく「完全に吸収される」公算は小さいと、前述のスウィート氏は述べた。

家電量販大手ベストバイのコリー・バリー最高経営責任者(CEO)は、販売原価の約60%を中国からの輸入品が占めているとし、追加関税の一部は消費者に転嫁される公算が大きいと話す。

トランプ氏は対中追加関税について、同国が原材料を生産している合成麻薬「フェンタニル」の米国流入への対抗措置だとしているが、ブルッキングズ研究所のシニアフェロー、ジョシュア・メルツァー氏は、「米国が関税を引き上げるたびに屈服する」といった印象を与えないためにも、中国はフェンタニル問題に対処する姿勢は示すが、譲歩はしないかもしれないと語った。

【翻訳編集】AFPBB News

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