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大音量の悲鳴や爆発音を毎晩放送 北朝鮮が韓国に騒音攻撃

AFPBB News 2024年11月27日 17時59分

【AFP=時事】銃声、悲鳴、不気味な笑い声──北朝鮮から程近い韓国の江華島は毎晩、北朝鮮による身の毛もよだつような騒音攻撃に見舞われ、住民が苦しめられている。

以前の江華島は、虫の声を聞きながら眠りにつき、鳥のさえずりで目覚めるような暮らしだった。だが今では、夜になると、低予算ホラー映画のサウンドトラックを大音量で聞かされているような毎日だ。

7月以降、北朝鮮は南北軍事境界線沿いに設置したスピーカーから、ほぼ毎日のように大音量で放送を続けている。

黄海に面した漢江河口に位置する江華島の北端は、北朝鮮からわずか2キロ程度しか離れていない。

AFP取材班が現地を訪れた際、夜間は、戦場における断末魔の叫びのような声や銃声、爆発音が放送され、午後11時になると不気味な音楽が流されていた。


■拷問に等しいレベル

専門家は、北朝鮮が新たに流し始めたこうした音声は、拷問と見なされる基準をほぼ満たしていると指摘する。

「ほぼすべての政府が大音量による拷問や睡眠妨害という手法を用いたことがある」と英セントアンドルーズ大学で歴史を教えるロリー・コックス氏はAFPに説明した。

「(拷問としては)非常に一般的な手法で、物理的な傷を残さないため、否定しやすい」

専門家によると、夜間に60デシベル以上の騒音にさらされると睡眠障害を引き起こすリスクが増大するが、AFPの現地での測定では騒音レベルは最大80デシベルに達していた。

地元住民の一人(37)はAFPに、「ほとんどいつも頭痛薬を飲んでいる」と話し、騒音による慢性的な睡眠不足で、不安障害や目の痛み、顔面けいれん、日中の過度の眠気を引き起こしていると説明。

「子どもたちも眠れず、口内炎ができ、学校で居眠りしている」と話した。

一部の専門家は、こうした放送は、韓国のプロパガンダ放送を北朝鮮兵の耳に入れないようにするのが目的ではないかとの見方を示している。韓国のプロパガンダ放送には通常、K-POPの楽曲や国際ニュースなども含まれる。


■「韓国人に苦痛をもたらすことを目的としているよう」

ごみ風船を飛ばす北朝鮮に対抗し、韓国が同国に向けてK-POPの楽曲を再び流すようになってから数週間後の8月、北朝鮮兵1人が厳重に警備された軍事境界線を徒歩で越えて脱北する事態が起きた。

だが、東亜放送芸術大学の音響制作の教授、イ・スヨン氏は「北に向けられる音を遮断したいのであれば、(遮断に使用する)音も北に向けられる必要がある」と指摘。

「これ(韓国に向けられている騒音)は騒音を遮断するというより、韓国の人々に苦痛をもたらすことを目的としているようだ」とAFPに語った。

地元の男性(60)は、軍事境界線付近で市民が被害を受けているにもかかわらず、韓国政府は保護対策を講じていないと批判した。

ソウルの当局者について、「ここに来て、この音を聞かされながら10日間でも生活してみればいい」「一日でも耐えられるとは思えない」とAFPに話した。

【翻訳編集】AFPBB News

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