【AFP=時事】イスラエル政府は15日、シリアから奪取し併合を宣言したゴラン高原の入植者を倍増させる計画を承認した。
シリアで先週、イスラム主義組織主導の旧反体制派がバッシャール・アサド政権を崩壊に追い込むと、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は8日、ゴラン高原のシリア支配地域にある緩衝地帯の「占拠」を軍に命じた。
そうした中、イスラエル首相府は、政府が「シリアでの新たな戦争と戦線を踏まえ、また人口を倍増させたいとの願いから、ゴラン(高原)における『人口発展計画』を全会一致で承認した」と発表した。予算規模は4000万シェケル(約17億円)規模としている。
イスラエルは1967年の第3次中東戦争(6日戦争)で、ゴラン高原の大半をシリアから奪取。1973年の第4次中東戦争でもその部分を保持し、1981年に併合を宣言した。ただし、併合を承認したのは米国だけにとどまっている。
ネタニヤフ首相は「ゴラン高原の強化は、すなわちイスラエル国家の強化であり、特に現時点において重要だ。われわれは一層地歩を固め、開発、定住を進めていく」と述べた。
ゴラン高原のイスラエル占領部分には、イスラエル人約3万人と、イスラム教ドルーズ派のアラブ人約2万3000人が住んでいる。アラブ人はイスラエルによる占領前から定住しており、多くがシリア国籍を保有している。
サウジアラビア外務省はイスラエルの計画発表を受け即座に声明を出し、「非難と断固たる抗議」を表明。計画は「シリアの安全と安定の回復機会を引き続き妨害する行為の一環」だと糾弾した。
またカタールも、イスラエルの宣言は「シリア領に対する攻撃の新たな一幕であり、国際法の明白な侵害」だと批判した。(c)AFP
【翻訳編集】AFPBB News
シリアで先週、イスラム主義組織主導の旧反体制派がバッシャール・アサド政権を崩壊に追い込むと、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は8日、ゴラン高原のシリア支配地域にある緩衝地帯の「占拠」を軍に命じた。
そうした中、イスラエル首相府は、政府が「シリアでの新たな戦争と戦線を踏まえ、また人口を倍増させたいとの願いから、ゴラン(高原)における『人口発展計画』を全会一致で承認した」と発表した。予算規模は4000万シェケル(約17億円)規模としている。
イスラエルは1967年の第3次中東戦争(6日戦争)で、ゴラン高原の大半をシリアから奪取。1973年の第4次中東戦争でもその部分を保持し、1981年に併合を宣言した。ただし、併合を承認したのは米国だけにとどまっている。
ネタニヤフ首相は「ゴラン高原の強化は、すなわちイスラエル国家の強化であり、特に現時点において重要だ。われわれは一層地歩を固め、開発、定住を進めていく」と述べた。
ゴラン高原のイスラエル占領部分には、イスラエル人約3万人と、イスラム教ドルーズ派のアラブ人約2万3000人が住んでいる。アラブ人はイスラエルによる占領前から定住しており、多くがシリア国籍を保有している。
サウジアラビア外務省はイスラエルの計画発表を受け即座に声明を出し、「非難と断固たる抗議」を表明。計画は「シリアの安全と安定の回復機会を引き続き妨害する行為の一環」だと糾弾した。
またカタールも、イスラエルの宣言は「シリア領に対する攻撃の新たな一幕であり、国際法の明白な侵害」だと批判した。(c)AFP
【翻訳編集】AFPBB News