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アサド政権崩壊から1週間 シリア最新動向

AFPBB News 2024年12月16日 18時58分

【AFP=時事】シリアでイスラム主義組織タハリール・アルシャーム機構(HTS)が主導する旧反体制派が、同国を長年強権支配したバッシャール・アサド大統領を打倒してから1週間が経過した。この間の重要な展開を振り返る。

■国連特使、首都入り

15日にダマスカス入りした国連(UN)のシリア担当特使ゲイル・ペダーセン氏は、シリアにおいて「復讐(ふくしゅう)」ではなく「正義と責任」を求めた。

HTSのテレグラムチャンネルは、同組織の指導者アブ・ムハンマド・ジャウラニ氏とペダーセン氏が会見したと伝えた。

ペダーセン氏はまた、内戦で荒廃したシリアへの「即時の」支援拡大を呼び掛けた。英国は同日、シリア国内および隣国のレバノンやヨルダンにいる「最も脆弱(ぜいじゃく)な立場にある」シリア人を支援する人道援助パッケージを発表した。

■カタール大使館再開

他のアラブ諸国とは異なり2011年以降、アサド政権との外交関係を回復していなかったカタールも代表団を派遣し、暫定政府高官らと会談。17日には、大使館を13年ぶりに再開する予定だと発表した。

■トルコの軍事支援

トルコのヤサル・ギュレル国防相は、イスラム主義組織主導のシリアの暫定政府に対し、必要に応じて軍事支援を提供する準備があると述べた。半国営アナトリア通信などトルコメディアによるとギュレル氏は、シリアの新指導者らに「チャンス」を与えるべきとした。

またトルコも14日、12年ぶりに在シリア大使館を再開した。

トルコはシリア内戦で主要な役割を果たし、北西部の武装勢力に資金提供を行いつつ、HTSとの実務的な関係を維持していた。

■米、英「HTSと接触」

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は14日、同国がテロ組織に指定しているHTSと接触した旨を明らかにした。接触の方法については詳述しなかったが、直接接触したのかと尋ねられると、「直接接触、そうだ」と答えた。

ブリンケン氏は、米国がアサド政権下のシリアに科した制裁の緩和は、旧反体制派が設置した暫定政府が国際社会の期待に応える「持続的な行動」を取れるかどうかにかかっていると述べた。

英国のデービッド・ラミー外相も、HTSは「依然、非合法なテロ組織ではあるが、外交的接触は可能」と述べ、外交的接触を確立したことを明らかにした。


■ロシア外交官撤退

アサド政権の主要な支援国だったロシアは、15日に一部の外交スタッフを撤収させたと発表した。

ロシア外務省は「ダマスカスのロシア(外交)代表部の一部人員は、シリアのフメイミム空軍基地から、ロシア空軍の特別便によって撤収した」と述べた。

■学校、大学再開 -

ダマスカスでは15日、アサド政権崩壊後初めて、一部の子どもたちが学校に戻り授業が再開された。ある学校職員は「戻った生徒はまだ30%以下」だが、「徐々に増えるだろう」と語った。

大学も再開したが、通常の状態に戻るには時間がかかるかもしれないと教職員らは述べている。

【翻訳編集】AFPBB News

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