【AFP=時事】リビアのアブドルハミド・ドベイバ暫定首相は19日、シリアのバッシャール・アサド政権崩壊を受け、同国からリビアにロシアの武器が移送されたとの報道を受け、自国が「戦場」になる恐れがあると懸念を表明した。
ドベイバ氏は記者会見で、「リビアに国際紛争が飛び火し、国家間の戦場になるのではないかと懸念している」と述べた。
石油資源が豊富なリビアは、2011年に北大西洋条約機構(NATO)が支援した蜂起によって、40年以上続いたムアマル・カダフィ大佐による独裁政権が崩壊して以降、混迷が続いている。
今も、西部にある首都トリポリを拠点とし、国連(UN)の承認を受けた制憲議会と、東部を拠点とする代表議会がそれぞれ政権を選出し、二つの政府が併存する国家分裂状態となっている。東部を拠点とする政府は、軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハリファ・ハフタル司令官の支援を受けている。
ハフタル司令官は2019年、ロシアの支援を受けて首都トリポリ制圧を目指して進軍したが、失敗に終わった。以来、ロシアはリビア東部の政権と緊密な関係を維持している。
ここ数日、ロシア軍がシリアのタルトゥース海軍基地とフメイミム空軍基地から、リビア東部に軍装備品を移動させていると報じられている。
ドベイバ氏は「外国勢力がやって来て、祖国と国民にその覇権と権威を押し付けることを、愛国心を持つ者は望んでいない」と主張。
外国勢力の存在は、「訓練や指導、装備に関する国家間の合意の枠組み内」でのみ容認されるものであり、リビア国民の意思に反して力ずくで侵入することは「完全に拒否する」と続けた。
ドベイバ氏はロシアによる武器の移送を確認しなかった。
だが、イタリアのグイド・クロセット国防相は18日、同国の全国紙レプブリカに対し、「ロシアがシリア・タルトゥースの基地からリビアに物資を移している」「良いことではない」と述べた。
「地中海においてロシアの艦船と潜水艦は常に懸念材料だ。わが国から1000キロ以上離れているのではなく、目と鼻の先にいるのならなおさらだ」と続けた。
シリアのタルトゥース海軍基地とフメイミム空軍基地は、アフリカと中東におけるロシア軍の活動拠点となってきた。だが、今月アサド政権が崩壊したことで、両基地の今後の行方は不透明となっている。
【翻訳編集】AFPBB News
ドベイバ氏は記者会見で、「リビアに国際紛争が飛び火し、国家間の戦場になるのではないかと懸念している」と述べた。
石油資源が豊富なリビアは、2011年に北大西洋条約機構(NATO)が支援した蜂起によって、40年以上続いたムアマル・カダフィ大佐による独裁政権が崩壊して以降、混迷が続いている。
今も、西部にある首都トリポリを拠点とし、国連(UN)の承認を受けた制憲議会と、東部を拠点とする代表議会がそれぞれ政権を選出し、二つの政府が併存する国家分裂状態となっている。東部を拠点とする政府は、軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハリファ・ハフタル司令官の支援を受けている。
ハフタル司令官は2019年、ロシアの支援を受けて首都トリポリ制圧を目指して進軍したが、失敗に終わった。以来、ロシアはリビア東部の政権と緊密な関係を維持している。
ここ数日、ロシア軍がシリアのタルトゥース海軍基地とフメイミム空軍基地から、リビア東部に軍装備品を移動させていると報じられている。
ドベイバ氏は「外国勢力がやって来て、祖国と国民にその覇権と権威を押し付けることを、愛国心を持つ者は望んでいない」と主張。
外国勢力の存在は、「訓練や指導、装備に関する国家間の合意の枠組み内」でのみ容認されるものであり、リビア国民の意思に反して力ずくで侵入することは「完全に拒否する」と続けた。
ドベイバ氏はロシアによる武器の移送を確認しなかった。
だが、イタリアのグイド・クロセット国防相は18日、同国の全国紙レプブリカに対し、「ロシアがシリア・タルトゥースの基地からリビアに物資を移している」「良いことではない」と述べた。
「地中海においてロシアの艦船と潜水艦は常に懸念材料だ。わが国から1000キロ以上離れているのではなく、目と鼻の先にいるのならなおさらだ」と続けた。
シリアのタルトゥース海軍基地とフメイミム空軍基地は、アフリカと中東におけるロシア軍の活動拠点となってきた。だが、今月アサド政権が崩壊したことで、両基地の今後の行方は不透明となっている。
【翻訳編集】AFPBB News