マスク氏、極右支持で「欧州民主主義を危機に」 独首相

【AFP＝時事】ドイツのオラフ・ショルツ首相は17日、米実業家で世界一の大富豪イーロン・マスク氏について、政治指導者を攻撃し、極右を支持することで欧州の民主主義を脅かしていると警告した。

ショルツ氏は「彼は欧州全域、英国やドイツなど多くの国々で極右を支持している。これは全く容認できないもので、欧州民主主義の発展を危機にさらす」と主張。

「他国の億万長者がグローバルな世界で自分の意見を表明」していることを批判しているわけではないと強調した上で、「ビジネス上の利益のためであれ、自身の政治的立場と関係のある理由であれ、極右を支持することは容認できない」と訴えた。

マスク氏は、ショルツ氏や英国のキア・スターマー首相をはじめとする欧州の指導者への攻撃を繰り返し、欧州全域で反感を買っている。

米大統領選では、影響力と莫大（ばくだい）な富を行使してドナルド・トランプ次期大統領の勝利を後押しした。

今度は2月23日のドイツ総選挙で、同国の極右政党「ドイツのための選択肢（AfD）」への支持を声高に表明。

今月、自身が所有するX（旧ツイッター）で、AfDの首相候補、アリス・ワイデル共同代表とライブ配信で公開討論を行った。

さらに、Xの個人アカウントでAfDの党大会をライブ配信し、世界中の視聴者を獲得するのに貢献した。

欧州議会議員数十人は今週、欧州連合（EU）のウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長に宛てた書簡で、マスク氏の欧州政治への介入に「深い懸念」を表明した。

【翻訳編集】AFPBB News