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ドイツ機密公電漏えい トランプ氏復権を「警戒」

AFPBB News 2025年1月20日 16時2分

【AFP=時事】米国で20日に政権復帰するドナルド・トランプ次期大統領による「復讐(ふくしゅう)計画」を警戒するとした駐米ドイツ大使の機密公電が漏えいし、ドイツの外交筋に波紋を広げている。

ドイツ紙ビルトは19日、アンドレアス・ミハエリス駐米大使が今月14日に外務省に送信したとされる機密公電について報道。ミハエリス氏はその中で、トランプ氏が「憲法秩序の再定義」を目指し「最大限の混乱をもたらす戦略」を用意していると述べ、これが米国の民主主義を弱体化させる可能性があると警告していた。

また同氏はトランプ氏について「復讐心に駆られた人物」で、大統領職に権力を「最大限集中」させることを目指しており、米議会や各州の権限が犠牲になると主張。それは米国の基礎を成す民主主義原則を「大いに損なう」ことになると懸念した。

公共放送ZDFでこの公電について質問されたアナレーナ・ベーアボック外相は、その存在を認め、「大使館が報告書を書くのは当然だ。それが彼らの任務であり、特に政権交代の際には予想される出来事を知るために必要だ」「そして米国の(次期)大統領はすでに自らの意図を明らかにしている。当然、われわれもそれに備えなければならない」と述べた。

来月行われるドイツ総選挙で政権復帰を目指す中道右派政党「キリスト教民主同盟(CDU)」のフリードリヒ・メルツ党首は、漏えいした公電の内容について厳しく批判。選挙集会での演説で、「米国の次期大統領に対するあらゆる批判とナンセンスに満ちている」と非難した。

メルツ氏は自らをトランプ次期米政権と交渉するのにより適した人物としてアピールしている。

対して、現職のオラフ・ショルツ独首相はトランプ政権により批判的で、特にトランプ氏の盟友である富豪実業家のイーロン・マスク氏が極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への支持を声高に表明し、ドイツ総選挙に介入していることを非難している。

【翻訳編集】AFPBB News

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