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フランス当局、ネスレによる違法ろ過処理を容認 メディア報道

AFPBB News 2025年2月5日 11時20分

【AFP=時事】フランスの一部メディアは4日、スイスの食品大手ネスレが禁止されているろ過処理を行っているにもかかわらず、仏政府はボトル入りミネラルウオーターの販売を容認していると報じた。

日刊紙ルモンドとラジオ・フランスによると、首相府と大統領府は保健当局の勧告に反して、ネスレが無許可のミネラルウオーターを販売するのを認めている。

ネスレの飲料水部門は、フランスでは「ヴィッテル」「コントレックス」「エパール」「ペリエ」の各ブランドを展開。ネスレ側は昨年9月、違法な井戸とミネラルウオーターの処理に関する調査の終結に向け200万ユーロ(約3億2000万円)を支払うことに同意。その後、食品の安全を求めるNPO「フードウオッチ」は同社を提訴していた。

ネスレによる和解金支払いにより、無許可の水源使用およびミネラルウオーターのろ過処理の詐欺をめぐる予備調査は終了した。フランスでは、ミネラルウオーターは自然のものでなければならないと定められているため、こうした行為は違法だ。

しかし、ルモンドとラジオ・フランスは、首相府は2023年初めの時点で、安全性向上のために利用しているとネスレ側が主張するマイクロフィルターの使用を例外的に認めることによって「ネスレの利益を優先し、消費者の利益を損なった」と報じた。

一方、同年1月、保険総局(DGS)のトップは、ネスレを対象に、フランス国内の井戸から採取したミネラルウオーターの販売許可の「即時停止」を勧告。公式報告書によれば、採取された水は汚染されていた。

勧告はエリザベット・ボルヌ首相(当時)の事務所に送付された。だが1か月後、首相府とエマニュエル・マクロン大統領の側近らは、ネスレがマイクロフィルターの使用を継続するのを認めたという。

報道では、その背景には強力なロビー活動があり、ネスレ関係者はマクロン氏の最側近、アレクシス・コレル大統領府事務局長とも面会していた。

パリ近郊の医療施設を訪問した際に報道について聞かれたマクロン氏は、「一切関知していない」と返答。「誰とも申し合わせていないし、共謀もない」と語った。

【翻訳編集】AFPBB News

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