研究成果は第28回国際化商品技術社会連盟パリ大会(パリ、2014年10月27日~30日)で発表。(画像はプレスリリースより)
研究の背景メラニンはメラニン産生細胞(メラノサイト)中の細胞内小器官であるメラノソームが作っています。
メラノソームはメラノサイトから表皮細胞に受け渡され、細胞の核周辺に集積します。このメラノソームが集まったものを「メラニンキャップ」と呼びます。(画像はプレスリリースより)
シミ部位ではメラニンキャップは細胞の内部で大きくなっているので、メラニンキャップの分解を促すことは、美白に繋がるとのことです。
研究内容メラニンキャップは人皮膚の表皮下層に存在し、表皮上層では見られないという事実があります。
ポーラ化成工業は表皮細胞が上層に移動する際に、メラニンキャップが調節する作用が働いていると考え、研究を進めました。
メラニンキャップを形成させた表皮細胞を用いて、実験的に上層への移動(分化)を誘導して、メラニンキャップの挙動を検討しました。
その結果、分化誘導によりメラニンキャップは分解していることを発見したとのこと。
また、細胞内物質の分泌、排出に関与しているタンパク質の一つVesicle-associated membrane protein 1(VAMP1)が減少するとメラニンキャップの分解とメラノソームの消失が観察できました。
細胞内でのVAMP1の発現を減らすことができれば、肌が本来持つ美白力を高める可能性を示唆。
今後の展開ポーラはこの発見を来春発売する化粧品に応用すると表明しています。
【参考】
・ポーラ化成工業 プレスリリース
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20141024.pdf