ファーストフード(マクドナルド)だけで30日間をすごす自分の姿を記録したドキュメンタリー『スーパーサイズ・ミー』(2004)で話題を呼び、アカデミー賞にもノミネートされた映画監督のモーガン・スパーロックさんが、現地時間23日に、がんによる合併症のためニューヨーク州で亡くなったと、Varietyほか各メディアが報じた。53歳だった。
モーガンさんの兄の一人で、複数のドキュメンタリー作品で仕事をしたクレイグ・スパーロックさんは「弟のモーガンとの別れは悲しいものでした」と声明で発表。「モーガンは、彼の作品、アイデア、寛容さを通して多くのものを与えてくれました。世界はクリエイティブな真の天才であり、特別な人を失った。彼と仕事ができたことを誇りに思います」と伝えた。
自分の体を使った実験で、アメリカにおける肥満をめぐる社会問題への警鐘を鳴らした『スーパーサイズ・ミー』は社会現象となり、モーガンさんは、その年のアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞にノミネートされた。
その後も、30日間でさまざまな実験に挑む「モーガン・スパーロックの30デイズ」(2005~2008)シリーズ、『ビン・ラディンを探せ! ~スパーロックがテロ最前線に突撃!~』(2008)など独自の視点のドキュメンタリーを発表。ワン・ダイレクションのドキュメンタリー『ワン・ダイレクション THIS IS US』(2013)も手掛けた。
2017年に #MeToo 運動が高まりを見せるなか、自身も「問題の一部」であると、学生時代の性的暴行疑惑やセクハラを訴えた女性アシスタントと和解していたことなどを告白し、近年はキャリアが頓挫していたという。(編集部・入倉功一)
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