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要潤「王騎は大沢たかおそのもの」 共に歩んだ7年振り返る

シネマトゥデイ 映画情報 2024年7月6日 7時15分

 原泰久の人気漫画を山崎賢人(※「崎」は「たつさき」)主演で実写映画化したシリーズの第4弾『キングダム 大将軍の帰還』(7月12日公開)で、大沢たかお演じる王騎将軍を支える副官・騰を演じた要潤が、共に歩んできた大沢との共演や約7年間にわたって携わったシリーズへの思いを明かした。

 紀元前の中国春秋戦国時代が舞台の『キングダム』シリーズは、天下の大将軍になる夢を抱く元下僕の少年・信(山崎)が、秦国の若き国王・エイ政(後の始皇帝/吉沢亮)の目指す中華統一のために他国との激戦に身を投じ、武将として成長していくことになる歴史アクション超大作。要の演じた騰とは、2019年公開のシリーズ第1作から、秦国随一の大将軍・王騎を支える側近として行動を共にしてきた謎の多い副官だったが、今作で初めて王騎にも匹敵する怪物的強さを持つ武将としての姿を見せつける。

 本シリーズで共演シーンの多かった大沢について「自分の中では大沢さんの存在が王騎と完全にかぶっていましたね」と語る要。「僕が20代の頃から何度も共演させていただいていて、俳優としても人間としても、すごく尊敬してきた方の一人ですから、お話しするのもちょっと恐れ多いのですが、多くを語らずともお互いに呼吸が分かっている感じがあり、僕は胸を借りるつもりでやらせていただいていますし、大沢さんは気を許して台詞を言ってくださる。大沢さんがどのように王騎を演じるのかを、間近でしっかり見させていただきたいと思っていました」と全幅の信頼を寄せている様子。「王騎としてそんな風に演じるんだな」「あそこまでちゃんと忠実にやるんだな」と、常に芝居を注視していたという。

 シリーズ中で最初に大沢の凄さを実感したのは、第1作冒頭の王騎軍の初登場シーン。要と大沢にとっても最初に撮影したカットだったそう。

 「中国の中でも特に田舎で、紀元前の風景を狙った環境でしたし、スタッフは日本人と中国人が半分ずつくらいでしたから、日中合作みたいな空気感でした。兵隊役の現地エキストラの方も含め大人数がひしめく中、中国語と日本語が飛び交い、『ヨーイ、スタート!』の掛け声も、双方の助監督がそれぞれの言語で二重に発声していて、僕は不安もあるしドキドキしていました。だけど大群の先頭で馬に乗る大沢さんは飄々と堂々としていて、“さすがだなあ”“これで『キングダム』が始まった!”と感じた、すごく印象的なシーンでしたね」

 騰と王騎のシーンでは、「原作にもあるように、二人の掛け合いではちょっと面白い部分を出したいなと思っていました。この二人ってすげえ仲いいんだなって(笑)、そういうホッとした部分を出せたら」と思いながら演じていたという。前作『キングダム 運命の炎』では、二人が「やる気満々」という言葉で張り合う姿もあったが、その撮影は要も「楽しかった」と微笑む。

 シリーズ4作を通して最も思い入れの深いのも、やはり大沢との共演シーン。最新作で王騎や信たち主要キャストが勢揃いする場面だという。

 「感情と真逆の芝居をしたというか、騰は将軍として強く、凜として構えていなきゃいけないので、ここはポーカーフェースを貫くしかないなと思って演じたシーンでした。その撮影現場の雰囲気も本当に良くて、普通は本番の撮影中以外は、俳優それぞれが休憩場所に移動したり、会話することもあるのですが、みんなが黙って現場に居て、スタッフも淡々と準備し、すごく静かで、集中している感じがあった。多分、誰もが原作でもすごく印象に残ったシーンだと思うので、その撮影を絶対に成功させるんだという、みんなの気持ちが一つになっていたように感じましたね」

 最終章とも謳う最新作で、シリーズは大きな区切りを迎えるが、原作でいうと騰の本格的な活躍はこれから。実写映画シリーズが今後も続くのかはわからないが、続編について個人的希望を聞くと少し意外な答えが返ってきた。

 「1作目の撮影が始まった時、続編をやれるかどうかは決まってなかったけれど、今回の物語に向かってやっている思いは自分の中にありましたので、僕としても完全燃焼というか、節目を迎えた思いはありますね」

 とはいえ、原作も読み続けており、騰が戦っている時には「頑張れ!」「死なないでくれ!」と感情移入して読んでしまうそうで、作品と役への愛情は深く「もちろんできることならずっと演じさせていただきたい作品」だという。「7年くらい、ず~っと騰のことを考えてきたので、『終わりです!』と言われても、なかなかパッと抜けられるとは思えない。考えるのが苦しい役もありますが、騰に関しては考えていてもすごく楽しいので、ずっと考え続けていきたいなとは思いますね」と言い、観客から続編を求められることに期待していた。

 これまで幅広い役を演じてきた要は、『キングダム』シリーズ以外にも、俳優デビュー作「仮面ライダーアギト」から近年の「TOKYO MER~走る緊急救命室~」シリーズまで、身体的負担の大きい芝居が求められる作品にも出演している。学生時代に陸上選手として活躍していただけにアクションは得意かと思いきや、「身体がでかいせいかキャスティングされやすいのですが、本当はあまり得意じゃないんです(笑)」と苦笑する。

 「僕は本当におっちょこちょいなので、よくケガするんです。『仮面ライダーアギト』の時もケガばかりしていましたから、本当はなるべくアクションはやりたくない(笑)。でも、台本や企画書を読ませていただくと『面白そうだな』という思いが苦手な部分を超越して、ぜひ参加させていただきたいと思ってしまう。まだ自分は走れると思っているお父さんが子供の運動会に出て、全力で走ってこける感覚に近いかも(笑)」

 苦手と言いつつ避けることなく、俳優の先輩たちから「馬に乗れた方がいい」「日本刀を使う芝居ができた方がいい」といったアドバイスを受けて、個人的に乗馬や殺陣の練習にも取り組んできたことが、『キングダム』シリーズでも活かされた。そして昨年には、デビューから支えられてきた所属事務所から独立。長年の夢だった海外進出など、俳優としてのさらなる飛躍を目指しているそうで、幅広い演技力や身体の大きさは、新たな挑戦にも大きな武器となりそうだ。(取材・文:天本伸一郎)

ヘアメイク:RYUJI スタイリスト:今井聖子

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