Infoseek 楽天

【完全ネタバレ】『デッドプール&ウルヴァリン』登場キャラの元ネタ、新概念の意味は?杉山すぴ豊&柳生玄十郎が解説

シネマトゥデイ 映画情報 2024年8月3日 11時37分

 マーベル・スタジオ最新作『デッドプール&ウルヴァリン』(全国公開中)のネタバレ完全解禁トークショーが2日、東京・渋谷で開催中の「SHIBUYA TSUTAYA COLLABORATION CAFE inspired by デッドプール&ウルヴァリン」で行われた。1日に続いて2回目の実施となった今回は、アメキャラ系ライターの杉山すぴ豊と、アメコミトークライブ「しゃべんじゃーず」代表でアメコミ侍こと柳生玄十郎、MCの稲生D(共感シアター)が出席し、原作コミックの話題を交えながら、劇中のサプライズや小ネタについてファンと語り合った。(以下、映画のネタバレを含みます)

 『デッドプール&ウルヴァリン』は、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)入りを果たしたデッドプール(ライアン・レイノルズ)とウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)がタッグを組み、世界の命運をかけた任務に挑むアクション。24日に日本で最速公開を迎え、公開5日間で今年公開の洋画ナンバーワンの成績となるオープニング興行収入8億788万円、観客動員数49万1,342人を記録。全世界興収はすでに6億ドル(約930億円)を突破する大ヒットとなっている。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル155円計算)

トム・ホランドの写真が映らなかった理由は…?

 すでに劇場で6回鑑賞しているファンも参加したイベントは、序盤から杉山と柳生によるネタバレ全開のトークが展開。ファン参加型であるため、観客はコラボカフェで提供されるフード&ドリンクを堪能しながら、二人の解説を熱心に聞き、『デッドプール&ウルヴァリン』を観て気づいたことや疑問に思ったことを自由に共有できる時間も設けられた。

 MCUや旧20世紀フォックスのヒーローたちが、全編通してカメオ登場する本作。冒頭では、 TVA(時間変異取締局)が定める神聖時間軸=アース616を訪れたデッドプールが、スターク社の警備部長に昇進したばかりのハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)のもとを訪ね、アベンジャーズに入りたいと面接を受けるシーンが登場する。

 オフィスには、『アイアンマン2』に登場したマーク5変形前のスーツケース、キャプテン・アメリカの作りかけの盾、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)のパートナーであるペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)が表紙を飾った雑誌など、MCUにまつわるアイテムが多数置かれている。特にイベントで話題になったのは、トニーとピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド)の記念写真。本編では、ピーターの姿がアイアンマンのマスクで隠されており、ファンからも「あれはソニー(『スパイダーマン』シリーズはマーベル/ソニーの共同製作)との関係が影響しているのか、もしくは、ドクター・ストレンジの魔術で人々がピーターを忘れてしまったからなのか」という疑問が投げかけられた。

 杉山は「まず、(冒頭で)2018年とわざわざ出しているので、記憶は消されていません。それから、トム・ホランドの姿を隠してるマスクは、『アイアンマン2』のスターク・エキスポで少年が被っていたマスクで、その少年がMCUのピーター・パーカーだってことを表したのだと思います」と“大人の事情”で出演できなかったトムを間接的に表現するギミックだったと推測。柳生も「僕もそう思います。権利関係がいろいろとあったんだろうと思います」と杉山の予想に賛成した。

 また、ファヴローのカメオ出演でも盛り上がり、杉山は「ファヴローが出た時、最初は弁護士かなと思ったんです」とコメント。ファブローは、20世紀フォックスが製作した『デアデビル』で、主人公マット・マードックと弁護士事務所を立ち上げた相棒“フォギー”ことフランクリン・ネルソンを演じていた。

ファンの気づきから新発見!ナイスプールの正体

 この日特に盛り上がったのは、終盤に登場する「デッドプール軍団」の話題だ。レディ・デッドプール(声:ブレイク・ライヴリー)を筆頭に、キッドプール、ドッグプール、カウボーイプール(声:マシュー・マコノヒー)、ヘッドプール(声:ネイサン・フィリオン)といった個性的なデッドプールたちが一堂に会した。

 アメコミを熟知している柳生は、「見た目が明確に違うデッドプールは、原作にも存在します。ほぼデッドプールの格好をしている奴は、正直近くで見ないと判別がつきません」と解説。劇中で一際存在感を放つナイスプールについて、柳生が「ナイスプールは、映画オリジナルキャラクターです」と語ると、杉山も「顔が崩れていないので、ヒーリング・ファクター(自然治癒能力)は持っていないんです」と解説。さらに、柳生が「原作にも、他の世界にヒーリング・ファクターを持っていないデッドプールが存在するので、その設定からきていると思います」と補足し、二人の説明に納得するファンも見られた。

 ナイスプールについては、ライアンの顔がCGによって若返っているのではと考察されており、この日もライアンが米people誌が選ぶ“世界で最もセクシーな男”に輝いた、2010年頃の顔にそっくりという指摘が上がった。

 すると、女性ファンから「ナイスプールのクレジットが、ライアン・レイノルズではなくゴードン・レイノルズだった」という証言が。『デッドプール2』公開当時の2018年、ライアンは自身が生み出した架空の双子にインタビューするという動画を投稿しており、その双子の名前がゴードン・レイノルズだった。ファンの気づきに、杉山と柳生も驚いた表情を見せ、思わぬ新発見に会場からも拍手が起こった。

 他にも、原作コミック「アベンジャーズ&X-MEN:アクシス」に登場するゼンプール、ウェイド・ウィルソンと彼の妻・シクラーの間に誕生した娘=デッドプール2099、デッドプールの共同クリエイターであるロブ・ライフェルドの話も飛び出し、映画とコミックの共通点や相違点などで話が盛り上がった。

アース616は誰…?新概念「アンカー」

 マーベル・スタジオは、先日行われたサンディエゴ・コミコンでプレゼンテーションを行い、『アベンジャーズ』シリーズ第5弾『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)/ Avengers: Doomsday』の悪役がロバート・ダウニー・Jrふんするドクター・ドゥームであることを発表した。

 会場のホールHでその瞬間を目撃していた杉山は、「実はもう1つびっくりしたことがあって……」と切り出し、会場限定で公開された『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025年2月14日日米同時公開)の新映像に言及。「ハリソン・フォードふんするロス大統領が『アメリカはすごいものを手に入れた』とスライドを見せるのですが、そこに書いてある言葉がアダマンチウムなんです」

 アダマンチウムとは、ウルヴァリンの骨格と結合している合金だ。ブラックパンサーの故郷・ワカンダで産出されるヴィヴラニウムに続き、新たな最強合金がMCUに登場することになる。杉山は「もしかしたら、MCUでも秘密裏にウェポンXが作られている可能性がある」とMCU版『X-MEN』の気配が近づいていると明かした。

 また、『デッドプール&ウルヴァリン』では「アンカー」(注:各ユニバースの最重要人物。死亡すれば世界が消滅してしまう)と呼ばれる新概念も登場した。劇中では、デッドプールの世界=アース10005のアンカーが、『LOGAN/ローガン』で最期を迎えたウルヴァリンであることが説明された。

 では、MCUの神聖時間軸であるアース616のアンカーは誰なのか? 杉山はトニー・スタークと予想し、「(『デッドプール&ウルヴァリン』のように)よその世界からトニー・スターク連れてこないと、あの世界が滅びると気づいて、実際に連れてきたらドクター・ドゥームだったみたいなストーリーもあり得るんじゃないかと思います」と『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』で起こり得る展開を明かした。

 杉山と柳生の白熱したトークは約1時間にわたって繰り広げられ、最後は豪華プレゼントが当たる抽選会が行われた。ネタバレOKで作品を語り合える貴重な機会に、参加したファンも大満足な様子。今後のMCU作品でも、ファン同士の交流の場になる参加型イベントの開催が期待される。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
 
映画『デッドプール&ウルヴァリン』は全国公開中

「SHIBUYA TSUTAYA COLLABORATION CAFE inspired by デッドプール&ウルヴァリン」は8月5日(月)まで SHIBUYA TSUTAYA 7F にて開催中(オンラインでの予約制、座席に空きがある場合は当日受付も可能)

【関連情報】
【動画】『デッドプール&ウルヴァリン』予告編
【ネタバレ】『デッドプール&ウルヴァリン』サプライズ登場したあのキャラの秘話「彼を永遠に失ってしまったと思っていた」
『デッドプール&ウルヴァリン』R指定でも不可…ディズニーが唯一「絶対NG」にしたこと
『デッドプール&ウルヴァリン』大興奮のオープニング秘話 キレ良すぎな“アレ”、名称が明らかに
『デッドプール&ウルヴァリン』悪役カサンドラ・ノヴァ誕生の裏側 役づくりに影響を与えた3人の名キャラクター
デッドプール&ユキオの掛け合い、撮影現場でライアン・レイノルズが全部書き変え!忽那汐里が明かす

この記事の関連ニュース