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チェ・ジウ「冬のソナタ」から20年…結婚、出産、育児を経て芽生えた欲

シネマトゥデイ 映画情報 2024年8月22日 11時47分

 2016年の映画『ハッピーログイン』以来、7年ぶりに映画『ニューノーマル』(公開中)でスクリーンに復帰したチェ・ジウ。その間に結婚、出産、さらにはコロナ禍と、彼女にとってさまざまな出来事が起きたが、俳優としてどんな変化があったのだろうかーー胸の内を語った。

俳優としての欲

 チェ・ジウにとって7年ぶりとなる映画は、ホラー映画の名手チョン・ボムシク監督によるサイコ・スリラー作品だ。ジウは、女性ばかりを狙う連続殺人事件が多発し、世間を賑わせているさなかのソウルで、一人暮らしをしている女性ヒョンジョンを演じる。その役柄は、ボムシク監督だけに一筋縄ではいかない女性だ。ジウは「久々の映画出演で、しかもこれまで演じたことがないような役。最初は心配もあって『わたしにうまくできるのだろうか』という不安が大きかったです」と率直な胸の内を明かした。

 オファーを受けたときは、ホラーの名手であるボムシク監督の作品に「どうして私に?」と真っ先に質問したというジウ。ボムシク監督は「台本を書きながら、ジウさんの新しい姿が見えた」と回答したというと、ジウ自身も「俳優というものは、常にイメージとは違うキャラクターを演じてみたいという欲があるものです。わたし自身もいい意味で、そういった欲はありました」と不安はありながらも、前向きに取り組んだという。

「冬ソナ」から20年…不安も

 「実は韓国では、広告のお仕事やバラエティ、ドラマなど、ほぼ休まずに仕事をしていたので、あまりブランクがあるという感じではないんです。でも、日本のファンの皆さんにとっては、だいぶ長い時間が経ってしまったように感じるかもしれませんね」とつぶやいた。

 現在出演しているTBS系日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」のイベントにジウが登場する際、「『冬のソナタ』が日本で放送されていたのが、2003~2004年。あれから20年経っているので、わたしのことを迎えてくださる方がいるのかしら……」と心配な気持ちがあったという。

 しかしイベントでは、日本の多くのファンがジウの登場を歓迎した。ジウは「本当に久しぶりだったのですが、日本の皆さんがとても温かく迎えてくださいました。たくさんの愛を持って優しい言葉をかけていただきました。とてもうれしかったです」と笑顔を見せると「皆さんの姿を見て、またたくさんの作品に頑張って出演できたら……という覚悟が生まれました」と俳優への強い思いが心に宿ったという。

新しい自分を表現できる喜び

 現在49歳のジウ。新作映画『ニューノーマル』で新たな一面を見せた。「演じるときは、その年齢にふさわしい役と巡り合うと思うんです」と語ると「もちろん、似たような役をやることもありますが、年令や経験によって表現方法も変わる。以前よりも成熟した演技をお見せできるようになっていると思います」と自信をのぞかせた。

 その意味で、ジウは2018年に結婚し、2020年には出産を経験、さらにコロナ禍でエンターテインメント業界は大きく変わった。ジウは「テレビ局や作品の現場はたくさんの変化があったと思いますし、それに対応する必要もありました」と振り返ると「わたし自身も、結婚、出産、そして育児も経験して幅広い感情を知ることができました。そのことは俳優としての大きな長所になっていると思います」と表現に奥行きが生まれたことを述べる。

 出来上がった作品を観た周囲からは「もう一度ホラー作品に出てみたら?」と言われたというジウ。自身も「もっと怖い作品で自分がどんな表現ができるのか……という欲も生まれてきています」と意欲を見せる。ボムシク監督にはすでに次回作の構想があるという。ジウは「『監督、出演します!』と言ってみようかなと思っているんです。どんどん新しい自分を表現できるのはとても楽しいですからね」といたずらっぽく笑った。(取材・文:磯部正和)

映画『ニューノーマル』は公開中

【関連情報】
『ニューノーマル』公式サイト
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