テレビ朝日系の人気ドラマ「相棒」の新シーズン「相棒 season23」(毎週水曜よる9時~9時54分、2クール)が、10月よりスタートすることが決定した。警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)の黄金コンビが、復活から3シーズン目を迎え、“初代相棒”時代を含めると通算10シーズン目に突入。さらなる高みを目指して、新境地を開く。
2024年は“警視庁創立150年”というアニバーサリーイヤーでもあり、初回スペシャルは、右京が上層部の指令を受けて“警視庁150年史”の編纂に取りかかるところからスタートする。明治7年、元薩摩藩士・川路利良が警視庁を創立。彼は内務卿・大久保利通とともに警察機構を作り上げ、初代大警視(現在の警視総監)に就任した。しかし、大久保は後に暗殺という悲劇に見舞われた。初回スペシャルでは、警察黎明期に起きた事件をなぞるかのように、大物政治家が殺害される事件が発生。特命係の前に立ちはだかるのは、現代日本で広がる“格差”の現実、そして政界にはびこる権力者たちの野望と陰謀だった。
新シーズンでも、長年「相棒」を支えてきた名キャラクターたちは健在。特命係の廃止を虎視眈々と狙う警視庁副総監・衣笠藤治(杉本哲太)、“鉄の女”の異名を持つ内閣情報調査室トップ・社美彌子(仲間由紀恵)が入り乱れるように暗躍する。また、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)や、薬物銃器対策課・角田六郎課長(山西惇)、小料理屋「こてまり」の女将・小出茉梨(森口瑤子)、薫の妻でジャーナリストの美和子(鈴木砂羽)も変わらずの存在感で物語を彩る。
さらに、初回スペシャルには、過去シーズンで鮮烈な印象を残した“ある人物”が意外な姿で再登場するという。かつて右京によって救われ、生きる意味を見出したはずの人物が、事件に深く関わってくることになる。特命係と再会する人物の正体とは? 続報が待たれる。
通算10年目という節目のシーズンの幕開けにあたり、水谷と寺脇が思い返したのは、「相棒」の“原点”にまつわるエピソード。2000年6月、2時間ドラマとして誕生した1作目の撮影中、水谷は右京と薫の絶妙な距離感に面白さを感じ、ドラマの成功を確信した。
水谷は当時「このドラマ、いけるよ!」と寺脇に手ごたえを伝えた瞬間があったという。寺脇は「僕はその言葉がとにかくうれしかったんです。その1本目があってこそ、“今”があるんだなと思うと、非常に感慨深いですね」と当時を振り返り、水谷も「そんなことがありましたね。スペシャルドラマとして誕生してから、こんなにも長く続く作品になったことを考えると…彼との出会いはやはり“運命”だったんでしょうね」と黄金コンビの歴史に思いを馳せる。
常に時代を描いてきたシリーズについて、水谷は「『相棒』は今の社会を切り取って描くドラマであり、そのスタイルは徹底して貫いていく。そういう矜持を、現場が持ち続けている作品です」と断言。新シーズンについて「今、誰もが顰蹙(ひんしゅく)を買うことを怖がって萎縮しているような社会になってきた気がするのですが、『相棒』は顰蹙を買うことを恐れずに、これからも挑んでいく……。新シーズンでも、“相棒ワールド”はますます進化していきます」と力強く宣言した。(編集部・倉本拓弥)
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