ゆりやんレトリィバァが“最恐ヒール”ダンプ松本を熱演するNetflixシリーズ「極悪女王」(9月19日よりNetflixで世界独占配信、全5話一挙配信)の新場面写真4枚が公開。ゆりやんが演じるダンプ松本とは、どんな人物なのか。
「極悪女王」は、1980年代にカリスマ的人気で女子プロレス旋風を巻き起こしたダンプ松本の知られざる物語を描く半自伝ドラマ。企画・プロデュース・脚本を鈴木おさむ、総監督を白石和彌が務め、主人公・ダンプ松本役のゆりやんのほか、落ちこぼれとしてスタートしながらスターの階段を駆け上がる長与千種に唐田えりか、同期で最も運動能力が高く技術に秀でていたライオネス飛鳥に剛力彩芽がふんする。
伝説の最恐ヒール・ダンプ松本は、なぜ日本中を熱狂させたのか?
1984年1月、ド派手なメイクと金髪ショートカットという、度肝を抜くスタイルでデビューを飾ったダンプ松本。プロレスファンでなくとも彼女の名を知らない者はいないほど、その悪名を日本中に轟かせた彼女の本当の姿とは−−。
当時ダンプは、長与千種とライオネス飛鳥の2人で結成された国民的アイドルレスラー「クラッシュ・ギャルズ」に対する“ヴィラン”として「極悪同盟」を率い、最恐ヒールとして君臨。極悪同盟が登場するや否やリングコールでは生卵が飛び交い、場内からは帰れコールの怒号が響いた。
その戦いぶりもヒールそのもの。鎖や竹刀、フォークといった凶器を使ったスタイルが当たり前のように繰り広げられ、流血沙汰に発展する試合が続いた。そして、ダンプの乱闘と比例するように、血まみれになりながらも決して屈しないクラッシュ・ギャルズを応援する声も上がり続ける。
ダンプ松本という最恐ヒールの存在によってさらに人々は試合にのめり込み、勝負の行方を見守るしかない状況に追い込まれていく。時には悲鳴まじりの極悪同盟に対するブーイングと相まって、異様なまでの熱狂を生んでいった。クラッシュ・ギャルズという輝きの影で、80年代空前の女子プロレスブームを支えていた真の立役者とも言える。
全国民に嫌われても続けたプロレス
当時、ダンプの嫌われぶりは凄まじく、今もなお語り継がれる数々の伝説を残している。どこから開封してもケガをするよう、入念な仕込みが施されたカミソリ入りの手紙、ゴキブリが入ったケーキなど、嫌がらせのプレゼントは日常茶飯事。ある日の試合帰りには、興奮したファンおよそ600人が「極悪同盟」メンバーの乗る移動用大型バスを取り囲み、命の危機にも直面したというエピソードも残されている。
そんな逸話が次から次へと出てくるダンプ松本も、もともとは女子プロレスの大ファン。輝くようなレスラーになりたいと憧れを抱く、普通の少女「松本香」だった。決して裕福ではない家庭に育ち、家族のために働きに出るはずだった予定を押し切って参加したオーディションで長与、飛鳥と出会い、同期の練習生として共に厳しい練習に励んでいく。しかし当時の彼女はなかなか芽が出ず、同期の中でも一番の落ちこぼれであった。
プロレスラーへの夢を諦めず、ひたむきに努力し続ける一人の少女「松本香」と、日本最恐のヒールとして全国民を敵に回し女子プロレス熱狂の時代へと導いた「ダンプ松本」。まるで一人二役のような振れ幅のあるキャラクターを見事に演じ切ったゆりやんは、「自分から湧き出てくる悔しさとか腹立たしさ、悲しさ、ジェラシーみたいなものを全部遠慮なく出すっていうことが大事だなと思っていました」と撮影を振り返り、「私、意外と芸人として感情を露わにしたことがなくて。初めて本気でなりふり構わずぶつかるということをやって、自分の中の殻が割れた気がしました」と新境地を明かしている。(清水一)
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