三谷幸喜監督の新作映画『スオミの話をしよう』(9月13日公開)の見どころの一つが、主演の長澤まさみをはじめ西島秀俊、松坂桃李らキャストが華麗に舞うミュージカルシーン。三谷監督が1日、自身のXに投稿した撮影日誌では約1年前に行われたダンスレッスンの裏側に触れている。
本作は、長澤演じる失踪した主人公スオミと、現在の夫(坂東彌十郎)と元夫たち(西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆)の騒動の顛末を描くミステリー・コメディ。スオミがある日突然姿を消したことから、現在の夫で詩人・寒川(坂東)の豪邸に刑事の草野(西島)ら元夫たちが集結。一致団結してスオミの行方を突き止めるはずが、事態は思わぬ方向に転がっていく。
もともと台本の準備稿にはなかったというミュージカルシーン。三谷監督のXによると、「かつてのMGMミュージカル風の出演者が歌って踊る形式」を目指した本シーンは、クランクインの1か月以上前から長澤を中心に稽古が行われた。三谷監督は各キャストが臨んだ猛特訓の様子を「踊っている姿がイメージできない西島さんや松坂さん、遠藤さんや彌十郎さんが必死に踊りの稽古をしている姿は、それだけで感動的だし、申し訳ないがそれだけで笑ってしまう。そして夫たちの中で唯一ミュージカル経験者であるこばさんの颯爽としていること。今回の作品の注目シーンであることには間違いありません」と綴っている。
ちなみに、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」や舞台「日本の歴史」(2018~2019)など数々の作品で三谷監督と組んでいる宮澤エマいわく、宮澤と瀬戸康史に関しては「ほぼフリーダンスのような振り付け」だったとか。「最後まで何が正解かは分かりませんでしたが、三谷さんの遊び心が炸裂していると思うので楽しんで頂けたら嬉しいです」とも呼び掛けている。なお、先ごろ行われた完成報告会では三谷監督が「この二人は舞台もいっぱい一緒にやっているもんで、僕がやってほしいことを何も言わなくてもやってくれる方」と宮澤、瀬戸への信頼を明かしていた。
ミュージカルナンバー「ヘルシンキ」の作詞は三谷監督自らが手がけ、作曲は『ザ・マジックアワー』(2008)以降すべての三谷映画の音楽を担当する荻野清子。ステージングと振付けは、三谷作品の振付を多数手がける本間憲一が担当した。(編集部・石井百合子)
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