第81回ベネチア国際映画祭でオリゾンティ・コンペティション部門に邦画から唯一出品されている、空音央(そら ねお)監督作『HAPPYEND』(10月4日公開)が、現地時間2日にワールドプレミア上映を迎え、空監督をはじめ、本作がデビュー作となった新星、日高由起刀らメインキャストも参加した。
『HAPPYEND』は、坂本龍一さんのコンサートドキュメンタリー『Ryuichi Sakamoto | Opus』を手掛けた、空監督の長編劇映画デビュー作。ありえるかもしれない近未来、高校卒業を控えた幼なじみの大親友、ユウタとコウの関係が、学校に四六時中生徒を監視するAIシステムが導入されたことをきっかけに変化していく、友情の揺れ動きや葛藤を追った青春映画だ。主演を務める栗原颯人(ユウタ役)と日高由起刀(コウ役)はオーディションで選ばれ、本作でスクリーンデビューを果たした。
空監督は、前作『Opus』が昨年のベネチア映画祭のアウト・オブ・コンペティション作品として上映されており、2年連続の参加。上映終了後には、1,400席の劇場を埋め尽くした観客より鳴り止まない拍手と熱い歓声が贈られたという。
上映後に行われたQ&Aには、空監督、コウ役の日高、仲間のアタちゃん役の林裕太、ミン役のシナ・ペン、トム役のARAZI(アラージ)が参加(栗原は欠席)。空監督は、長編劇映画デビュー作の主人公に、高校生の若者たちを選んだことに「高校時代は、大人ではないが、大人の世界に足を踏み入れ始めているという曖昧で多感な時期。当時を振り返り、自分がもっと友達について気づいてあげるべきだったこと、もっと友達に自分のことを知ってほしかったことなど、親友との日々や関係性を描こうと思った」と語る。
上映後も、多くの観客が空監督及びキャストの元に押しかけて熱く感想を語り、写真撮影を求めるなど、観客の熱狂が見受けられたという本作。空監督は「上映の後、本当にたくさんの人が僕に映画の感想と共に自分の話をしてくれました。この映画は日本の話ですが、世界の多くの人が似たような感情を抱いているのだと感じました。この映画が自分に刺さったと皆さんが話してくれて、感慨深いです」と語っている。
映画『HAPPYEND』は10月4日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
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