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『エイリアン:ロムルス』戸松遥&内田真礼、エイリアンに「ロマンを感じた」声で表現する究極の恐怖

シネマトゥデイ 映画情報 2024年9月6日 7時10分

 究極のサバイバル・スリラーを展開する『エイリアン』シリーズ最新作『エイリアン:ロムルス』の日本版吹替声優を務めた戸松遥と内田真礼がリモートインタビューに応じ、鬼才フェデ・アルバレス監督が原点回帰で挑んだ世界観の魅力や、恐怖との向き合い方について語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

 『エイリアン:ロムルス』の舞台は、リドリー・スコット監督が手がけたシリーズの原点『エイリアン』(1979)の“その後”に位置する時代。廃墟と化した宇宙ステーション“ロムルス号”で人生の再起をかける若者たちが、宇宙最恐の生命体=エイリアンがもたらす絶望に直面する。戸松は新たな女性主人公・レイン(ケイリー・スピーニー)、内田は若者たちのリーダー的存在であるタイラーの妹・ケイ(イザベラ・メルセド)に声を当てた。

エイリアンは唯一無二の存在

Q:(戸松さんへ)『エイリアン』シリーズは全作品鑑賞済みの大ファンとのことですが、シリーズの魅力はどんなところにあると思いますか?

戸松遥(以降、戸松):初めて『エイリアン』に触れたのは、小学校低学年ぐらいのころでした。エイリアンは殺戮を繰り返すだけでなく、繁殖もするじゃないですか。地球外生命体の恐ろしさと、実在するかもしれないと思わせてくれるリアルな描写、やられ方にもいろいろなパターンがあり、観れば観るほどのめり込んでいって、怖さを通り越してロマンを感じました。独特な見た目のエイリアンは、唯一無二の存在です。大人になってからは、もちろん怖さやドキドキもありますが、「今回はどんな攻め方をしてくるんだろう?」とワクワクに近い魅力を抱いています。

Q:印象に残っている歴代作品やシーンはありますか?

戸松:『エイリアン4』が印象に残っています。特に終わり方が、当時子供ながらにショッキングで……。キャラクターのバックボーンはもちろん、母親とは何かについても描かれていて、観終わった後に「あれはどうするべきだったのだろうか」と考えさせられました。『エイリアン:ロムルス』も同じように、いろいろと考えさせられるシーンがたくさんあります。

Q:(内田さんへ)『エイリアン』シリーズを初めてご覧になった時の感想は?

内田真礼(以降、内田):私はホラー作品に耐性がなくて、なかなか再生できずにいました。大人になって初めて『エイリアン』を観てみると、サスペンスやホラーを避けていた分、全く知らない世界が広がっていて、作品として面白いと感じることができました。『エイリアン:ロムルス』の監督は、私が最近観て好きになった『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレスさんで、「こういう方法もあったのか!」とドキドキしました。心拍数が上がる出来事だったり、本当にこんな生き物がいたら無理って思う気持ちを味わえたり、2時間で衝撃的な体験をしました。

これ以上耐えられない!とある出来事に衝撃

Q:本作で担当したレイン&ケイの魅力、声を当てる際に意識したことはありますか?

戸松:レインは、エイリアンと戦うために鍛えられてきた人ではなく、銃も触ったことがないごく普通の女性です。自分たちが今置かれている環境から脱出するために、やれることを一生懸命頑張っている姿も見られるので、戦うかっこいい人という感じで作り込むのではなく、等身大な姿を意識して声を当てました。

内田:ケイは、主要キャラクターの中でとにかく驚くシーンが多い印象です。恐怖から逃げたり、叫ぶことも多くて、収録時もアドリブで叫ぶシーンは気合いを入れて臨みました。ケイ自身が抱えているものが強さでもあるので、何とかこの世界で生きていくという想い、大変な状況になってしまった時のどうにもならない必死さ、人間が壊れていくさまを表現できたらいいなと思い、感情が揺れ動く部分は特に意識しながら演じさせていただきました。

Q:フェデ・アルバレス監督が原点回帰にこだわった恐怖を煽る描写は秀逸です。劇中では叫んだり、怯えたりするシーンが登場しますが、アフレコではどのように気持ちを作って臨まれましたか?

戸松:自分の中で恐怖心を作るというよりは、次から次へと起こることに対応していく感覚でした。役者さんのお芝居に声を重ねることが吹替なので、原音を聞きながら調整しています。レインは息の芝居が多くて、走っている時の息づかいや、絶対に声を出してはいけない状況での息震えた様子だったり、さまざまな呼吸があるので、全てが同じようにならないためにも、音も聞きつつ、お芝居としての感情も大事にしながら収録させていただきました。

内田:どこで何が来るのかわからないドキドキ感や、エイリアンがすぐ近くにいそうなシチュエーションが映像から伝わってくるので、すごく楽しみながら演じさせていただきました。ただ、クライマックスに向けて体験する出来事には、本当に衝撃でした。「私にはこれ以上耐えられない!」と思いながら声を当てているので、その気持ちを観てくださる方とも共有したいですし、語り合いたいです。

『ドント・ブリーズ』の演出と『エイリアン』が合体した最高なシーンあり!

Q:『エイリアン』といえば、1作目のキャッチコピー「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。」がお馴染みです。お二人は今まで、誰かに助けを求めたくてもできなかった極限の状態を経験したことはありますか?

戸松:1人暮らしをしていた時に、家の中にセミが入ってきたことがあったんです。私はセミが苦手で、便利屋を呼ぼうかなと考えるくらいで……。セミが飛ぶので「助けて!」と思ったのですが、周りには誰も助けてくれる人がいなかったんです。あの時は本当に終わったなと思いました(笑)。

内田:最近起きた出来事だと、お風呂場の掃除をしていた時です。鏡が汚れてしまって、水アカを落とす時に本当にしんどくて、業者さんを呼ぶか、もう諦めようかと思ったりしました。

Q:日常生活で恐怖と向き合った時、お二人はどのようにしてその恐怖を乗り越えますか?

戸松:状況によりますが、セミの場合はどうにかしないと飛ぶので「もうやるしかない」と腹をくくりました。そのほかは、基本的に思考停止します(笑)。見なかったことにしよう、知らないフリをするみたいに現実逃避をします。自分のメンタルを守るために、本当に頭を真っ白にしちゃいます。

内田:私は布団に潜ります。ホラー映画を観ることが怖くて、「今日はいけるでしょ!」という気持ちで観始めても、結局ダメになってしまって……(笑)。観終わった後に「もしかしたら家に出てくるかもしれない」とか思ってしまうんです。なので、温かい布団に潜って夜を乗り越えます。

Q:映画を楽しみにしているファンへ、メッセージをお願い致します。

戸松:『エイリアン』1作目と2作目の間の時間軸で起こる物語ですが、2作品を全く観ていなくても大丈夫なので、『エイリアン』デビューされる方におすすめの内容になっています。もちろん、『エイリアン』シリーズが大好きな方の期待も裏切らない、むしろ期待マシマシで楽しみにしていただきたいです。監督が『ドント・ブリーズ』のアルバレスさんで、『ドント・ブリーズ』の演出と『エイリアン』が組み合わさった最高なシーンもあります。呼吸を忘れてしまうぐらい緊迫感があるアトラクション映画なので、最後まで油断せずにご覧ください。

内田:エイリアンがいるだけでもドキドキできることが1つ目の楽しさだと思いますし、エイリアンに立ち向かっていく若者たちに待ち受ける結末もすごく面白いので、ぜひ観ていただき、エイリアンの独特な恐怖を体感していただきたいなと思います。収録も力を入れて頑張りましたので、吹替版でも観ていただけたら嬉しいです。

映画『エイリアン:ロムルス』は9月6日(金)全国公開

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