第81回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品されている映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の公式上映が、現地時間4日に行われ、主演のホアキン・フェニックス、共演のレディー・ガガ、監督のトッド・フィリップスが出席。映画が世界初披露されると、上映終了後には12分間に及ぶスタンディングオベーションが起こった。
前作『ジョーカー』は、コメディアンを夢見る心優しき男が、悪のカリスマ「ジョーカー」へと変貌するさまを描き出し、第76回ベネチア国際映画祭で最高賞となる金獅子賞を受賞。第92回米アカデミー賞では、ホアキンが主演男優賞を獲得するなど、その年の賞レースを席巻した。
待望の続編を引っ提げ、ベネチアに戻ってきたホアキンは「なぜ多くの人が前作に共感したのかは正直わからないです。それぞれの観客が、それぞれ違った要素に惹かれたんだと思います。いつもみなさんが語る内容に驚かされます。今回の作品は≪安心を感じる愛への追求と切望≫だと思います」と記者会見でコメント。本作は、“音楽”が重要な要素となっており「物語に合わせて選び抜かれた曲だからこそ、その解釈を理解することが鍵でした。歌唱シーンの撮影はすべてライブで録音されたものです。テイクごとに声が異なって、とてもエキサイティングな体験でした」と撮影の裏側を告白した。
ジョーカーと出会う謎の女性“リー”を演じたガガは、「ホアキンと仕事ができたのは本当に光栄だったし、とても楽しい体験でした。彼には解き放たれて自由なところがあって、これまでのわたしの映画経験とは全く異なるものになりました。毎日、いかに正直で、真実にみちた瞬間を表現するかということに集中しました」と撮影当時を回顧。続編のストーリーについて「“これは絶対に思いつかない”というものに仕上がっています」と期待をあおり、「みなさんには、私たちが決めるのではなく、映画を観て自分自身でこの作品のテーマを見つけ出してほしいです」と呼びかけた。
2作連続の金獅子賞受賞に期待がかかる本作。フィリップス監督は「私たちとしては大きなプレッシャーを感じていました。実際に続編を作ることになったとき、私たちは大胆でなければいけなかったし、続編だとしても前作と比べて予想外の作品にするには、どうするべきかと考えていきました」と続編を作ることへの葛藤を告白する。
「前作のジョーカーは、目には見えなくても彼の心の中には音楽と愛が溢れていた。本作では客観的な視点よりも、ジョーカー自身の目を通して多くの情報が表現されている。そしてリアリズムという点では共通しますが、より想像的で象徴的なシーンが多くあるのが、本作の特徴だと思います」とも続けたフィリップス監督。「そして……この作品は、1作目に対する“答え”ではないとも加えておきます」と力を込めた。(編集部・倉本拓弥)
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は10月11日全国公開
【関連情報】
・【画像】レディー・ガガ、レッドカーペットで圧巻の存在感!
・『ジョーカー2』で再びガリガリに…ホアキン、壮絶減量は「これが最後」
・R指定でも不可…『ジョーカー』ヤバすぎ浴槽シーンがカットされていた
・『ジョーカー2』はR指定「いくつかの強い暴力描写、短いフルヌード」
・『ジョーカー』ホアキン・フェニックス、順撮りできずブチ切れていた
・『ジョーカー』ホアキン・フェニックス、ゲイロマンス映画撮影5日前に突如出演取りやめ…映画はお蔵入り