奥平大兼が10日、都内で行われた映画『Cloud クラウド』(9月27日公開)ジャパンプレミアに登壇し、撮影中に黒沢清監督から「菅田将暉を超えてほしい」という要望があったことを打ち明けた。この日は主演の菅田将暉をはじめ古川琴音、岡山天音、荒川良々、窪田正孝、黒沢清監督も来場した。
第97回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品に選出されたことでも注目を浴びる本作は、『CURE キュア』などの黒沢監督がオリジナル脚本で現代社会に潜む集団狂気を描いたサスペンススリラー。
転売業で稼ぐ主人公・吉井(菅田)に雇われるバイト青年・佐野を演じる奥平は「キャストの中で僕が一番年下で、最初はバキバキに緊張していました」と打ち明ける。特にクランクインから3日目に行われたラストシーンの撮影は大変で、「あまりにも緊張しすぎて心臓がすごいバクバク言っていて、終わった後に録音部さんに『心臓バクバクだったね』と言われて恥ずかしかったです。後半は大丈夫でしたが、最初はそれくらい緊張感を持ってやっていました」と吐露。菅田は「全然そんな印象はなかったです」と話すも、奥平は「めちゃめちゃ頑張って(平気を)装っていました」とはにかんだ。
また、「すごい大事なシーンの(撮影)前日に監督から『菅田さんを超えてほしい』と言われて、あぁヤバイなぁ…とかみしめながらホテルに帰って……」と強いプレッシャーを感じたことも語る。一方で「あまり気にせず、めちゃくちゃぐっすり寝れた」とぶっちゃけて会場を笑いに包む奥平だが、「こんなにもよくわからない気持ちになっちゃうくらいのシーンがある役(は初めて)。言われたときはめちゃくちゃ頑張ろうと思いました」と気を引き締めて臨んだ撮影を振り返った。
窪田は「あの菅田将暉を超えてくださいって結構すごい」と驚くも、黒沢監督は「そんなこと言いましたかねぇ」とすっとぼけ。奥平は「その瞬間を鮮明に覚えています。その言葉を聞いて覚悟が持てたのでありがたかったです」と感謝の言葉も口にした。
本作のキャッチコピー「気がつけば標的」にちなみ、フリップトークで「気がつけば○○」のお題が出された奥平は「気づいたら耳かき。めちゃくちゃ耳かきが好きで、映画とかドラマを観ていたら、気づいたら耳かきをしています」とうれしそうに答えた。(錦怜那)
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