宮藤官九郎が脚本を手掛け、小池栄子と仲野太賀がダブル主演を務めた連続ドラマ「新宿野戦病院」(フジテレビ系)の最終話が11日に放送、ドラマの舞台となった「聖まごころ病院」の医師たちの成長した姿に、X(旧Twitter)では視聴者から感激の声があがり、最終回限定のエンドロールにも絶賛する声が寄せられた。(ネタバレあり。以下、第11話までの展開に触れています)
本作は、新宿・歌舞伎町に建つ、聖まごころ病院を舞台に、治療は雑だがどんな命も平等に救おうとするアメリカ国籍の元軍医ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池)が、美容皮膚科医の高峰享(仲野)ら個性豊かな医師たちと共に、さまざまな背景を持つ“ワケあり”の患者たちと向き合う救急医療エンターテインメント。
前回は、未知のウイルス「ルミナ」の感染拡大に立ち向かうヨウコたちの奮闘が描かれたが、最終話では、10日間連続で感染者数が減少したことで緊急事態宣言が解除。まごころ病院もいったんは落ち着きを取り戻そうとするなか、歌舞伎町のクラブで「SAYONARAルミナ」と銘打ったパーティーが行われ、フロアの床が抜け落ちる大事故が発生してしまう。
次々と運び込まれる傷病者に、真剣な表情で応急処置を施していく医師たち。これまでヨウコを中心に多くの命に向き合ってきた病院スタッフの変化に、視聴者もXで「まごころのメンバー救命病棟みたいに成長してる」と反応。なかでも、当初はボンボンでチャラい美容医師だった享が、的確な指示を出しながら活躍する姿に「享ちゃんと医師になった」「トオルくん初回はアワアワしてたのに成長したー」などの声もあがった。
その事故が取り上げられ、ヨウコと院長の高峰啓介(柄本明)はテレビ出演することに。スタジオには、かつて勝どき医療センターでECMOを使用して助かり、ヨウコと縁のできた官房副長官・川島一也(羽場裕一)の姿も。事故について話す前に副長官に伝えたいことがあると切り出したヨウコは、いつもの英語と岡山弁を封印して「でれぇ大事な話じゃけぇ、標準語で話すで」と宣言し、Xで視聴者も「ヨウコ先生が標準語だと!?」「標準語話せるんかい!」と驚き。
そしてヨウコは、政府に“歌舞伎町ウイルス”というルミナの俗称を否定し、使用を禁止するように要請すると、前回で日本人の感染者第一号となった歌舞伎町のホスト・板垣凌介(戸塚純貴)を引き合いに「彼は旅行先のLAで感染し、羽田で陽性反応が出て、そのまま勝どきの病院に搬送され亡くなりました」と語り、歌舞伎町で感染したわけでもウイルスを持ち込んだわけでもないと説明。クラブの事故について、川島が「また歌舞伎町で……」と発言したことに「そういう不用意な言葉がどれだけ多くのこの街で生活する人々を不当に傷つけ、 差別や誹謗中傷にさらすことになるか、よく考えて発言してください」とやり込める。
さらに、感染源はわからないとしつつ「しかし、これだけは言える。 運んだのは人間です。どれだけ危険なウイルスだって、足が生えて歩いて密林から出てくるわけではありません。 人間の移動によって世界中に広まる。だから犯人探しは意味がない。特定の誰かを悪者にするのはやめてください」と続けたヨウコは、必ず第2波が来ると宣言し「聖まごころ病院は決して断らん。ぜってえ診るし、ぜって助ける。じゃけん川島副長官、医療従事者の待遇をちょびっとだけよくしてくれ」と医療従事者への支援を要請。このヨウコのメッセージに、Xでは「ヨウコ先生強い!」「ヨウコ先生…標準語での訴え。凄い響く」「医療従事者の待遇は本当に良くしてくれ!!」など共感の声もあがった。
宮藤らしいユーモアを交えながら、歌舞伎町で平等に命に向き合う医師たちを描いてきた本作。最終回のエンドロールには、主題歌「恋のブギウギナイト」を担当したサザンオールスターズが特別出演し、キャストやダンサーを加えた総勢31名でダンス。ミラーボールの輝くダンスホールへと転換した聖まごころ病院で、桑田佳祐の「素敵なドラマどうもありがとう!」というメッセージで明るく幕を閉じ「サザンとエンドロール大団円なんて最高に幸せじゃないか」「エンディングめちゃくちゃ良かったなー」と絶賛の声が寄せられた。(西村重人)
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