第49回トロント国際映画祭でエリザベス・モス主演映画『シェル(原題) / Shell』のワールドプレミアが行われた。若さと美しさこそ正義とする現代の価値観を背景にしたボディホラーで、メガホンを取ったマックス・ミンゲラ監督(『ティーンスピリット』)は「目を覆いたくなるシーンや隣の人の腕をつかみたくなるシーンもありますが、第一には皆さんに笑ってほしくて作りました!」とあいさつした。
主人公は女優のサマンサ(エリザベス)。最近のオーディションで競うことになるのは20代前半の若い女優ばかりで、苦戦が続いている。そんな時、年を取らないとされるロブスターを利用した美容手術を行う「シェル」の存在を知った彼女は、危惧しながらもトライ。活力を取り戻して女優業も好調になるが、「シェル」を利用した女性たちの体には異変が起き始めていて……。美貌の68歳として登場するシェルのCEO役はケイト・ハドソンだ。
若さと美への執着をテーマにしたボディホラーでは、今年はデミ・ムーアの衝撃的な怪演が話題を呼んでいる『ザ・サブスタンス(原題) / The Substance』(コラリー・ファルジャ監督)もある。同作がテーマ性、エンタメ性の強さ共に振り切れているため、『シェル(原題)』のどっちつかずさが余計に目立ってしまった。主演のみならずプロデューサーも務めたエリザベスは、ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」の最終シーズン(シーズン6)を撮影中のため映画祭出席はかなわなかった。(編集部・市川遥)
第49回トロント国際映画祭は現地時間15日まで開催
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