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吉岡里帆、初の洋画吹替「納得いくまでやり直し」根底にある声優リスペクトの心

シネマトゥデイ 映画情報 2024年9月20日 6時32分

 『トランスフォーマー』シリーズ最新作となる3DCG映画『トランスフォーマー/ONE』(9月20日全国公開)の日本語吹替版で、洋画吹替に初挑戦した俳優の吉岡里帆。40周年の節目を迎えた人気シリーズに「絶対に参加したかった」と並々ならぬ覚悟で飛び込んだ彼女がインタビューに応じ、声優に対するリスペクトの心や、アフレコ当時のエピソードを明かした。

 本作で描かれるのは、超ロボット生命体「トランスフォーマー」の起源に迫る始まりの物語。トランスフォーマーたちの故郷であるサイバトロン星を舞台に、後に宿敵同士になるオプティマスプライム(オライオンパックス)とメガトロン(D-16)の知られざる友情が明らかになる。吉岡は、オプティマスと共に戦うことになる女性戦士エリータ-1役を務めた。

 7月に公開された吹替版予告編には、吉岡が声を当てたエリータ-1が登場しているが、声の正体が吉岡であることは伏せられたままだった。約1か月後、吉岡の出演が発表されると、エリータ-1に違和感なくマッチした彼女の声に驚くファンが続出。自身のSNSにも反響のコメントが殺到したそうで、「『トランスフォーマー』を観たことがないフォロワーの方が『これを機に全作観ます』と言ってくださったり、『トランスフォーマー』シリーズのファンも『声が合っている』とコメントしてくださって、嬉しくてスクリーンショットしちゃいました」と反響の大きさを振り返る。

 吹替版の音響監督は、声優陣がキャラクターそっちのけで強烈なアドリブを連発した“声優無法地帯”アニメ「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」などシリーズではおなじみの岩浪美和が担当した。岩浪を“レジェンド”と敬う吉岡は、「岩浪さんと話すのは本当に楽しくて、観客がワクワクする演出を常に考えている方だとアフレコ現場で感じました。笑いや間の取り方、 セリフの絶妙なニュアンスまで細やかに演出してくださったので、岩浪さんがおっしゃったことを表現すれば、必ず面白くなる安心感がありました」と絶大な信頼を寄せる。

 字幕版では『アベンジャーズ』シリーズなどのスカーレット・ヨハンソンがエリータ-1役を務めており、吉岡もスカーレットに合わせて、地声よりも声を落として低く響かせることを意識して収録した。「日本のアニメーション作品に参加した時は、もっと声を高くという演出を受けていたので、今回は真逆でした」

 過去に映画『ハケンアニメ!』でアニメーション監督役を務めたこともある吉岡は、声優に対してリスペクトの心を持っており、「声優さんにお会いする時もすごく背筋が伸びるんです」と尊敬しきり。「だからこそ、相当な準備をしないと皆さんと一緒には戦えません。そのための努力だったら何でもしたい」といい、「スカーレットさんのお芝居をリスペクトしながら、低く声を当てていきました。少しでも甘さが声に出ていたら、テイクは全部やり直し。私も収録した声を聞かせていただき、高いと思ったら『もう1回やりたいです』とお願いして、録り直しさせていただきました」と一切の妥協を許さずアフレコに臨んだ。

 そんな吉岡の原動力は、一体どこにあるのか?「いろいろな方たちに楽しんでいただきたいという思い。それに尽きます」と吉岡は回答する。「自分が何か頑張る時に、その先に誰かが喜んでくれたり、誰かのプラスになっているんだって思えることが私のモチベーションになります。『トランスフォーマー/ONE』に参加して、アフレコを行って、完成した本編を観た時、皆さんのパワーになるという確信があったので、この作品を自信を持ってお送りしたいです」

 洋画吹替に初挑戦したことで「自分の殻を破れた」と達成感を味わっていた吉岡。『トランスフォーマー/ONE』から新たなシリーズ化にも期待がかかるが、「そんなことになったら幸せですよね。エリータ-1は歴史あるキャラクターで、知らない一面もありますし、彼女を深掘りしていく機会があればうれしいです」と早くも続投へ意欲を見せていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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