ホアキン・フェニックス主演で悪のカリスマの誕生を描いた映画『ジョーカー』(2015)の続編『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』を手掛けたトッド・フィリップス監督が、本作から謎の女性リー役を務めたレディー・ガガについて合同インタビューで語った。
コメディアンを夢見る孤独な男アーサー・フレックが、理不尽な社会の狭間で“ジョーカー”となっていく様を描いた前作。続編『フォリ・ア・ドゥ』はその2年後が舞台となり、謎の女性リーと出会ったジョーカーの狂気がさらに社会へと伝染していく。
理不尽な社会が生み出したとも言えるジョーカーについて、多くの共感の声もあがった前作。フィリップス監督は、ガガが演じるリーもそのうちの一人だといい「彼女はジョーカーに恋をした人なんです。なぜなら、彼女はテレビで彼のしたことを見た。そしてジョーカーは、ゴッサムのシンボルになりました。リーは、そのシンボルに恋をしたんです。彼女は“アーサー”を知りません。彼女が知っているのはジョーカーなんです」と語る。
本作の予告編では、パトカーで移送されるアーサーが満ち足りたような笑みを浮かべる場面が登場するが、「予告編で彼がより満たされているように見えるのは、彼はすでにリーに会っていて、(彼女との)つながりを確立しているからなんです。アーサーの人生に起きる最大の変化は、彼が愛を見つけたこと。そしてそのことは、映画の全てに伝染し、影響を与えることになります。予告編は物事(時系列)を入れ替えたりするものですから、ちょっと誤解を招きやすいですけどね」
ジョーカーに恋する女性といえば、DCでも屈指の人気を誇るヴィラン、ハーレイ・クインの存在が思い浮かぶ。ただ、フィリップス監督は、劇中のリーについて、「私たちが他の映画やコミックで知っているハーレイと彼女の関係については、ほとんどありません」と断言する。「私たちは自分たちがやりたいことを(コミックから)取り入れ、それを私たちの世界のレンズを通してもう一度見直したんです。だから、皆さんが馴染みのある要素もあれば、そうでないものもあります」
リーとの出会いに愛を見出したアーサーは、自分の内にあった音楽を歌で表現することになる。ジョーカーとリーの歌唱シーンは本作の重要なパートを占めており、フィリップス監督はそこにガガの女優としての圧倒的な才能を見出したと語っている。「彼女の女優としての才能は、ある意味で、彼女の音楽と関係していると思うんです。彼女は(自分の)傷つきやすい面にすぐにアクセスできる。それは、(彼女が)シンガーソングライターであることから来ているのかもしれません。そして彼女は、そうなること(弱い面をさらけ出すこと)を恐れません。自分自身や自分の感情や不安をさらけ出すことを恐れないんです。本当に見事でした」(編集部・入倉功一)
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は10月11日より全国公開
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