俳優の尾上右近が映画『ライオン・キング：ムファサ』（12月20日全国公開）でムファサの日本語版声優を務めることが26日、都内で行われた『ライオン・キング』30周年舞台あいさつで発表された。イベントに登場した右近は「長年、ディズニーの声優をやりたいと思っていました。夢でした」と声優就任への喜びを明かした。この日は、1994年のアニメーション版と2019年の超実写版でムファサの声を担当した大和田伸也も駆けつけ、右近を祝福した。
『ライオン・キング：ムファサ』は、『ライオン・キング』の主人公・シンバの父親であるムファサと、彼と王家の血統を受け継ぐタカ（後のスカー）の若き日の物語。兄弟の絆で結ばれたムファサとタカが、冷酷な敵ライオン・キロスから群れを守るため、新天地を目指してアフリカ大陸横断の旅に出るさまが描かれる。
本作で声優に初挑戦する右近は「声優自体が初めての経験。僕は32歳。『ライオン・キング』とほぼ同世代。非常に光栄に思いました」と感想を述べる。また「大自然の中に生きるムファサを見て、歌舞伎の伝統の中で生きる自分との共通点も感じた」と続け、「話をもらって、非常に嬉しく思いました。自分がやらせてもらうことに非常に大きな意味があるなと思ったんです。僕にしかできないムファサを演じたい。歌舞伎の世界で生きる自分の経験、魂をムファサに注ぎ込みたい」と意気込んだ。
大和田は「30年、ムファサとともに生きていたので、ムファサの若い頃を演じるなら、思いも強い、凛として品格があり、男らしさ、優しさを兼ねそろえた方がいいと思っていたんです。右近さんと聞いて嬉しかったです。頑張ってほしいです」と右近にエールを送る。イベントでは、右近に「サークル・オブ・ライフ」を歌ってほしいとリクエストし、右近が同曲をアカペラで歌う一幕も。歌を聴いた大和田は、「安心して託すことができます。ムファサを繋いでください」と声をかけ、右近は「胸いっぱいです」と笑顔で答えていた。
そんな大和田も、「思い出せ」の名セリフを再現して会場を沸かせたほか、好きなシーンを聞かれて「シンバがいると怒りながらも語りかけるムファサが好きです」と述べ、星空の下、シンバに語りかけるムファサのセリフを再現したりしたする一幕があった。
また大和田は、1994年の『ライオン・キング』公開当時を回顧し、「当時は歩いていると、ムファサだと必ず声をかけられました。父と子の愛情、ふれあいがとても素敵な作品。音楽も素敵だし、出てくるキャラクターがチャーミング。私の家も『ライオン・キング』のグッズで溢れかえっています。それくらい素敵な映画です」と話していた。（取材・文：名鹿祥史）
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