声優の関俊彦が5日、丸の内TOEIで行われた映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版』公開記念舞台あいさつに、木内秀信、古賀豪監督と共に登壇。『真生版』となった本作の“血”の表現に驚きをみせていた。
本作は、2023年に水木しげる生誕100周年記念作品として公開され、動員195万人、興収27.9億円の大ヒットを記録した『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を、327カットのリテイク、音も再ダビングした『真生版』として再上映。かつての目玉おやじである鬼太郎の父（関）と、密命を帯びた血液銀行のサラリーマン・水木（木内）との出会いと、おどろおどろしくも切ない事件の顛末を描く。
昨年11月に公開され、第47回日本アカデミー賞・優秀アニメーション作品賞を受賞。高評価を背景に韓国や台湾などでも上映され、今年6月には、フランス・アヌシー国際アニメーション映画祭・コントルシャン部門にノミネートされるなど、世界へと大きな広がりを見せている。
鬼太郎の父の声を担当した関は「ここまでロングランになるとは思っていませんでした」と語ると「公開されてからネットなどで好評だというのは見ていましたが、一方で、初日から空席だったという意見も聞いていた」とヒットに半信半疑だったという。
しかし、累計動員115万人を超えた際に、事務所から「お祝いのメッセージをください」と言われて「これはすごいことなんだ」と実感したという関。これまでも数々の作品に参加しているが「一度劇場で公開された作品が、こうして『真生版』として新たにブラッシュアップされてもう一度劇場にかかるなんて、いままで生きてきたなかではなかった。これからもないんじゃないかな」と特別な作品であることをしみじみ語っていた。
その『真生版』について、古賀監督は「（前回は）PG12での公開ということで、表現を押さえたところがありました」と語ると、パッケージ版発売の際には「R-15」（R15+）の基準で再度作りたいという要望を伝えていたという。そんななか、今回『真生版』が製作できることになり「最後までダメと言われていた流血表現を、意図通り表現することができました」と語る。
関も「血液というか、血の色が変わるだけで、こんなにも印象が変わるんだと驚きました」と驚きをみせると「血の鮮やかさが、まさに『出血大サービス』になっています」とバージョンアップされた映像を大絶賛していた。
水木役の木内は「まさか1年前に、またこうして舞台あいさつに立てるなんて思ってもいませんでした」と笑顔を見せると「327カットのブラッシュアップということですが、アニメーターさんからすると、大変な作業だったと思います」とクリエイターたちを慮り「プロのこだわりではありますが、こうして新たな作品ができたのは、1年間応援してくださって、作品を愛してくれたファンの方たちのおかげです。その思いがアニメーターさんたちの背中を押してくれたんだと思います」と感謝を述べる。
関も「皆さんのおかげで、また新たなスタートを切ることができました。叶うなら、また鬼太郎の父として、皆さんと会えることを夢見ております」と客席に呼びかけていた。（磯部正和）
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