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『シビル・ウォー』新星ケイリー・スピーニー、デビュー作『パシフィック・リム』続編に感謝「私の全ての始まり」

シネマトゥデイ 映画情報 2024年10月5日 19時2分

 映画『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)で長編映画デビューを果たし、新作映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(全国公開中)のメインキャストに名を連ねる新鋭ケイリー・スピーニー(26)がリモートインタビューに応じ、メガホンを取ったアレックス・ガーランド監督が描くディストピアな世界観の魅力、ヒット作への出演が相次ぐ現在の心境を語った。

 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、内戦が勃発した近未来のアメリカを舞台にしたアクション・スリラー。14か月間一度も取材を受けていない大統領に単独インタビューを行うため、4人のジャーナリストがニューヨークから戦場と化したワシントンDCへと向かう。ケイリーは、主人公・リー(キルステン・ダンスト)が取材中に出会う若手カメラマン・ジェシーを演じている。

 ケイリーは、過去にドラマ「DEVS/デヴス」(2020)でガーランド監督とタッグを組んでいる。「ガーランドは映画を作る度に、(私たちに)何かメッセージを投げかけようとします。彼が持つ映画の才能は素晴らしく、私もリスペクトしています」とガーランド監督に絶大な信頼を寄せる。

 ケイリー曰く、ガーランド監督は各キャラクターを演じるにふさわしい俳優の顔を浮かべながら脚本を執筆しているといい、「監督から電話がかかってきて『次の作品の脚本を書いている時に、君の顔が思い浮かんだ。きっと興味がある企画だと思う』と話してくれました。もちろん、私はすぐにイエスと答えました」と当時を振り返った。

 ガーランド監督といえば、脚本を手がけたSFホラー『28日後...』をはじめ、自らメガホンを取った『エクス・マキナ』『アナイアレイション -全滅領域-』『MEN 同じ顔の男たち』などディストピアな世界観を描くことに優れている。『シビル・ウォー』も近未来設定で、西部勢力と政府軍の激しい攻防戦をジャーナリストたちの視点から活写する。

 そんなガーランド監督が生み出す独自の世界観のファンであるケイリーは、「現代社会においてはそう遠くない未来にも感じますし、とてもパーソナルな世界観です。特に『シビル・ウォー』はアメリカ人として特にパーソナルな作品」とその魅力を語る。「彼が意図的に(西部勢力と政府軍)どちらかの視点で描いていないことも素晴らしいと思いました。観客に全てを委ねて、考えさせることを狙いとしているからなんです」

 若手カメラマンを演じるにあたって、ケイリーはフィルムカメラを常に持ち歩き、フォトジャーナリズムを徹底研究している。「(主人公のモデルとなった伝説の写真家)リー・ミラーさんについても調べました。彼女の人生はジェシーに多大なる影響を与えています」

 ケイリーは2018年、人気ロボットSF映画『パシフィック・リム』の続編『パシフィック・リム:アップライジング』のヒロイン、アマーラ・ナマーニ役に抜てきされた。人型巨大兵器“イェーガー”のパイロット候補生という役柄で、日本の新田真剣佑とも共演している。

 「あの作品は私の全ての始まり。私の心の中にあり続けています」と振り返ったケイリーは、「私の映画の原点はSFでした。SFは私にとって特別なジャンルです。初日に(共演した)ジョン・ボイエガと会って、彼から何もかも学んだことを今でも思い出します。イェーガーを想像して演じる大変さも味わいました。とても濃密な日々で、私の人生において魔法のような時間でした」とデビュー作への感謝を述べる。

 今年4月には、伝説のロック歌手エルヴィス・プレスリーの妻を演じた『プリシラ』、9月には主演作であるSF映画『エイリアン:ロムルス』が日本公開されるなど、2024年はケイリーにとって飛躍の年となった。

 ハリウッドスターの仲間入りを果たしたケイリーだが、「私は18歳からこの仕事をしているので、あまりが実感なく、普段と変わらぬ気持ちです」と謙虚な姿勢。「異なるジャンルの作品を経験することができて、とても楽しいです。『エイリアン』は純粋なエンタメ大作であり、『シビル・ウォー』は観客にメッセージを投げかける作品です。これからもっとたくさんの人に出会い、正しい選択をして、この仕事を続けていきたいです」とさらなる飛躍を誓っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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