吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)の6日放送・第38回では、左大臣・道長(柄本佑)が息子の頼通(渡邊圭祐)に「これから成すべきこと」を明言する場面があり、道長が亡き父・兼家(段田安則)と同じ道を歩みつつあること、闇落ちしたとの見方が強くなった(※一部ネタバレあり)。
第38回「まぶしき闇」では中宮・彰子(見上愛)と敦成親王に対する呪詛の形跡が見つかり、伊周(三浦翔平)の関与が明らかに。明法博士によると首謀者は死罪だが、道長は伊周の処遇について「官位はく奪が相当」と一条天皇(塩野瑛久)に進言。中宮、敦成親王が呪詛されたことは許しがたいこととしながら、厳しい罰を与えることでこれ以上恨みをかうようなことは避けたいと述べた。
そんな道長を一条天皇は「寛大」と評していたが、道長は水面下で着々と次の東宮を帝の第一の皇子・敦康親王ではなく、孫の敦成親王とする計画を進めていた。前話ではまひろにうっかり「敦成親王様は次の東宮となられるお方」と口を滑らせていたが、今回は頼通に「我らがなすべきことは敦成様を次の東宮になし奉ること。そして一刻も早くご即位いただくことだ」と告げた。
「なすべきは揺るぎなく力をもって民のためによき政を行うことだ」「家の…繁栄のためではないぞ」とも言う道長だったが、自身の思惑を正当化する発言ともとれ、かつての父・兼家を重ねる声が続々。兼家は、孫の懐仁親王を東宮にし、一刻も早く帝にするために円融天皇(坂東巳之助)に毒を盛り、次の花山天皇(本郷奏多)にクーデターを起こすなど、強引なやり方で計画を進めた。
SNSでは「なんという屁理屈」「道長ついに…」「黒道長」「お父さんと似てきたね」「血は争えない」「一見兼家と違うことを言ってるようだけど、結論は同じ」「ついに公然と宣言」「優しい口調でハードな話」など驚きの声が寄せられ、「闇落ち」のワードが多く見られた。
道長を巡っては、敦康親王への疑惑のまなざしも話題に。敦康親王が彰子とじゃれ合う姿をじっと見つめていた道長は、まひろの書いた「源氏物語」の一説「光る君は、幼心にも花や紅葉を添えて、藤壺をお慕いする心をお見せになります」を目にすると、思うところがあったのか行成(渡辺大知)を呼び敦康親王の元服の日程決めを命じた。一刻も早く二人の仲を遠ざけたい様子の道長だが、敦康親王は彰子のもとを去りがたいのか元服を嫌がり、帝は彰子の第二子出産と重ならぬよう元服の延期を道長に命じ、道長は複雑な表情を見せていた。なお、次回より敦康親王は、子役の渡邉櫂から片岡千之助へとバトンタッチする。
敦康親王については鋭い探偵ぶりを発揮する道長だが、まひろの娘・賢子(梨里花)については「鈍い」と視聴者からツッコミが。賢子はもうすぐ裳着の儀を迎えるといい、道長は「裳着を終えたらお前の娘も藤壺に呼んではどうだ」と言い出し、まひろは動揺。SNSでは「鈍感過ぎるぞ」「あんたの娘だぞ!」「本気でまだわかってないの?」とざわついていた。
また、終盤では発狂した伊周を前に血相を変えた道長が、その様子を目撃したまひろと視線を長らく絡ませる場面があり、その間は約40秒。まひろははっとしたような表情を浮かべていたが、道長の左大臣としての重責を目の当たりにしたことで動揺したのか。道長はそんな姿を見られてどんな思いだったのか。それぞれの顔をアップで交互に映す本シーンは、まるで目で会話をするかのようで、二人の胸の内が注目を浴びている。
なお、5日に岩手県・奥州市で行われた三浦翔平のトークショーでは、制作統括の内田ゆきが今後の見どころについて「37回で「源氏物語」の豪華本が出来た時に光源氏の最高潮まで書き終えていて、これから陰の部分に傾いていく流れがあるんですよ。「光る君へ」も道長に少し陰が差していって、それを作家として見つめるまひろが出てくるので、そこも見ていただけたら」と呼び掛けていた。(石川友里恵)
【関連情報】
・「光る君へ」公式サイト
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