『ロード・オブ・ザ・リング』実写3部作の200年前を描く新作長編アニメーション映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(12月27日全国公開)の制作報告会見が都内で行われ、日本語吹替版キャスト10名が追加発表された。実写3部作の吹替版に参加していた山寺宏一、大塚芳忠、飯泉征貴、勝部演之も名を連ねている。
アニメ「攻殻機動隊」シリーズなどの神山健治監督が、小説「指輪物語 追補編」のエピソードを基に、滅亡の危機にひんした騎士の国・ローハンの運命を託された若き王女の戦いを描く本作。日本語吹替版キャストとして、すでに小芝風花(主人公・ヘラ役)、市村正親(ヘルム王)、津田健次郎(ウルフ)、本田貴子(オルウィン役)、村治学(オーク・ロット役)、田谷隼(リーフ役)の参加が発表されていた。
新たに日本語吹替版キャストに加わったのは山寺宏一、大塚芳忠、飯泉征貴、勝部演之、中村悠一(フレアラフ役)、坂本真綾(エオウィン役)、森川智之(ハレス役)、斧アツシ(フレカ役)、入野自由(ハマ役)、沢田敏子(老ペニクルーク役)の10人。実写映画でローハンの騎士エオメルの吹き替えを担当した山寺はターグ将軍役、アラゴルン役だった大塚はソーン卿役、ピピン役だった飯泉はシャンク役、デネソール役だった勝部はサルマン役を務める。
会見には神山監督とプロデューサーのジョセフ・チョウが出席。神山監督は「お話をもらった時、映画だとは聞いていたが、まさか世界リリースだとは思わなかった。私たちも驚いた。大変なことになったぞって思いました」とオファー当初の心境を振り返り、「三部作も含め、大好きな映画でした。1ファンとして作品を見ていて、自分がこの作品のアニメを映画として作れるのがすごく大きな喜びでした。大変だろうと思うより、こんなチャンスは生涯なかなかない。やるべきチャレンジだと思いました」と心境を明かす。
ジョセフも、コロナ禍でプロジェクトを立ち上げたことを回顧し、「こんなチャンスをいただいて感謝しています。海外ではアニメというと日本のアニメ。海外で日本のアニメが大きなムーブメントになっていて、全世界どこに行ってもアニメ産業にいるというとそれだけで話題になる。そんな日本から発信するアニメの映画作品としていいものを作ろうって思いました。世界に発信する日本のアニメーション映画はどんなものか、ぜひみなさんにも見て欲しいです」と呼びかけていた。
追加発表された日本語吹替キャストのコメントは以下の通り。(取材・文:名鹿祥史)
坂本真綾:エオウィン役
世界中を虜にした『ロード・オブ・ザ・リング』が新たにアニメーションとなって描かれる、しかも神山健治さんが監督を手掛ける! というビッグニュースに、驚きと期待で胸が高鳴りました。私がやらせていただくエオウィンは、実写『ロード・オブ・ザ・リング』三部作との架け橋になるような存在です。たくさんの方がわくわくしながら公開を待っている今作、私自身も楽しみながら、丁寧に向き合っていきたいと思います。
斧アツシ:フレカ役
20年前は声優の仕事を始めて間もない頃で『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズは一ファンとして劇場で観てました。そんな作品の最新作に関われる日がやって来るとは思ってもいなかった。フレカは身体も大きく豪胆な人物で彼の振る舞いが息子のウルフの運命を決めることになる重要な役どころ。そんなキャラクターを活かすように命を吹き込めればと思っています。また久しぶりに神山監督と仕事ができるのがとても嬉しく、神山健治監督ならではの演出と細部に至るまでの映像美が今から楽しみです!
森川智之:ハレス役
あの『ロード・オブ・ザ・リング』の200年前の物語『ローハンの戦い』に出演できると知ってとても嬉しく大変光栄に思っております。ファンの皆さんにとっても、私にとっても、知りたい、観たい! 垂涎の作品だと思います。私が担当するのはヘルム王の第一王子ハレスです。第一王子というからにはとても責任重大な役どころなので、責務を全うするべく王子ハレスを演じたいと思います。公開を楽しみに待っていてください!
入野自由:ハマ役
こんなにもスペシャルな企画、作品に参加させていただけることをとても光栄に思います。神山健治監督とご一緒できることがなによりも嬉しく、オファーをいただいた時には「やります」と考える間もなく、反射的に答えていました。そして、楽しみなことがもう一つ。舞台でも親子役で共演した市村さんとまたご一緒できることです。前回は義理の息子でしたが、今回は実の息子(笑)。アニメーションの世界での共演も、全力で楽しみたいと思います。見たこともない世界が、壮大な冒険が、皆さんを待っています!お楽しみに!
山寺宏一:ターグ将軍役
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズにはローハンの騎士エオメル役で参加させて頂きました。映画史に輝く名作に関われた事は本当に光栄で、ヘルム峡谷とゴンドールの戦いに挑むシーンでは、心底身震いした事を思い出します。また、魅力的な登場人物達の心の葛藤や絆に何度も涙しました。今作に関しては予告のナレーション収録時に「ローハンが舞台で監督は神山健治さん」である事を知り大興奮! 「役もあります」と言って頂きとても嬉しかったです。『攻殻機動隊』シリーズでお世話になり心から信頼し尊敬する神山監督が、今作をどのように仕上げるか楽しみで仕方ありません! 全力でターグ将軍を演じさせて頂きます。
大塚芳忠:ソーン卿役
20年程前に、映画『ロード・オブ・ザ・リング』にてヴィゴ・モーテンセン演じるアラゴルン役をやらせていただきました。そして本作品では、ソーン卿役として出演させていただきます。ヘルム王の側近としてどのような立ち回りをするのか……新しい『ロード・オブ・ザ・リング』をお楽しみください。
飯泉征貴:シャンク役
この度、『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』でシャンク役のオファーがSMSで届き、大変驚きました。ずっと俳優・声優業から離れていたため「絶対スパムだ」と思ったほどです(笑)。以前演じたホビットのピピンは愛らしいキャラでしたが、今回は凶暴なオークのシャンク。同じ世界線で全く異なる役柄を挑戦できる機会に、今から心が躍っています。前三部作の収録時、エルフ語の研究者も指導で参加し、スタッフ全員が本気でファンタジー世界の構築に向き合う姿が今でも鮮明に残っております。これほど愛されている物語を神山監督が新たに紡ぎ、その独自の視点で語られる壮大な冒険に参加できることを、心から誇らしく思います。
勝部演之:サルマン役
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでは、ゴンドールの執政デネソール役で参加させて頂きました。本作品では、実写シリーズでも有名なあのサルマン役としてご指名頂きました。サルマンは、実写の本編においてはかの名優、クリストファー・リーが演じたという、大変な役をもらって、震えています。何とか、イメージを崩さぬよう、心を込めて演じたいと思っています。
【関連情報】
・【動画】主人公声優は小芝風花!『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』日本版予告編
・公開から20年!『ロード・オブ・ザ・リング』キャストの現在
・『ロード・オブ・ザ・リング』なぜアニメ映画化?「攻殻機動隊」神山健治が監督を引き受けた理由
・『ロード・オブ・ザ・リング』新作映画、2026年公開へ!ゴラムがメイン
・誕生日にガンダルフの仮装した学生、イアン・マッケランと奇跡の遭遇
・ドラマ「ロード・オブ・ザ・リング」撮影準備中に馬が死亡 動物愛護団体が非難