三鷹の森ジブリ美術館は10日、宮崎吾朗が企画・監修を務める新企画展示「君たちはどう生きるか」展の第三部「背景美術編」を、11月23日から開催すると発表した。会期を当初予定していた半年間から一年間に延長し、前期と後期で一部の展示を入れ替える。
宮崎駿監督が約7年の歳月を費やして手がけた長編アニメーション映画『君たちはどう生きるか』のために描かれた、手描きの絵を3回にわけて展示してきた同企画展示。第一部「イメージボード編」、第二部「レイアウト編」に続く第三部は、少数の美術スタッフによって描かれた「背景美術」にスポットを当てる。
近年、背景美術においてもデジタルツールが広く活用されるようになり、複製、加工、修正が容易になった。しかし、手描きで紙に絵具で描く絵は、同じ絵を二度完全に再現するのは至難の業だ。鉛筆で描いた絵は消しゴムで修正できるが、一度塗られた地塗りを後から消すことは容易ではない。
駿監督は「アニメーション映画の品格は背景美術で決まる」と常々発言しており、美しく豊かな画面は、背景美術の力がなければ誕生しない。同企画展示では、そんな『君たちはどう生きるか』美術スタッフの技と芸術性の結晶を、存分に堪能することができる。(編集部・倉本拓弥)
「君たちはどう生きるか」展第三部「背景美術編」前期は11月23日(土)~2025年5月まで、後期は2025年5月~2025年11月まで三鷹の森ジブリ美術館にて開催(予定)
美術館入場は日時指定の予約制(チケットはローチケWEBにて、毎月10日に翌月入場分を発売)
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