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堀江美都子「ボルテスVの歌」は宝物 フィリピンで“第2の国歌”化、アニキ・水木一郎の思い胸に歌い続ける覚悟

シネマトゥデイ 映画情報 2024年10月13日 9時3分

 東映のロボットアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」(1977~1978)の主題歌「ボルテスVの歌」を担当し、“アニメソングの女王”としても知られる歌手・堀江美都子。同作をフィリピンで実写化した映画『ボルテスV レガシー』(10月18日全国公開)の日本語吹替版では、声優として主人公の母マリアンヌ・アームストロング役を担当している。先日行われた同作のジャパンプレミアで主題歌を生披露した堀江がインタビューに応じ、国内外で愛され続ける名曲「ボルテスVの歌」への思いを語った。

フィリピンでVIP待遇…“第2の国歌”となった「ボルテスVの歌」

 「超電磁マシーン ボルテスV」は、合体ロボット「ボルテスV」に搭乗し、地球侵略を目論むボアザン星人に立ち向かう5人の若者たちの姿を描いた作品。実写版が製作されたフィリピンでは、原作アニメの認知度が94パーセントともいわれ驚異的な知名度を誇る。堀江が歌う「ボルテスVの歌」も原曲のまま放送され、現地では“第2の国歌”として国民のほとんどが歌えるまでに浸透している。

 自身の代表曲がフィリピン国民に愛されていることについて、堀江は「すごく不思議な気持ちですね」と素直な心境を述べる。「お子さんからお年寄りの方まで観てくださって、『ボルテスVの歌』を歌えばすごく感激してくださる。不思議な気分ですごく嬉しいですし、フィリピンはいつでも行きたい国です」

 フィリピン国内では、熱狂的なコスプレイヤーはもちろん、カーラッピングやマーチャンダイズなど、至る所で「ボルテスV」人気を実感できるという。さらに、チャリティーコンサートで現地を訪問した際は国賓扱いされ、堀江は思わぬVIP待遇を受けた。

 「白バイが他の車を止めて、私が乗った車を先導してくれました。乗っている本人は『すいません』と両側に謝りながら通っていました(笑)」

「ボルテスV」をもっと知ってほしい

 1969年にテレビまんが「紅三四郎」の主題歌でアニメ歌手デビューした堀江は、「ボルテスVの歌」で女性歌手として初めてロボットアニメの主題歌を担当した。「すでに何百曲もレコーディングしていましたが、可愛いらしい歌が多かったので、当時の年齢的にかっこいい歌が歌いたいなと思っていたんです。そのタイミングで『ボルテスV』の主題歌のお話をいただいたので、すごく嬉しかった記憶があります」

 『ボルテスV レガシー』でも、フィリピンの歌手が日本語で歌唱した「ボルテスVの歌」が挿入歌として使われている。「歌い方もかなり研究されているみたいで、とてもいい歌声だと思いました」と絶賛する堀江。作品はもちろん、「ボルテスVの歌」を愛してくれる人たちのおかげで「自分の中に宝物ができた」と感謝の気持ちを述べる。

 堀江は本作公開をきっかけに、“アニキ”として慕っていた故・水木一郎が歌った原作アニメエンディングテーマ「父をもとめて」もカバーしている。「(水木に)守られながら『ミッチーなら大丈夫』と言われているような感覚でした」とレコーディングを振り返り、「(水木は)唯一無二の存在。同志であり、兄です。歌うことへの姿勢や精神みたいなものを熱く語りながら一緒にやってきました。アニキはこの業界を高め、引っ張ってくれました。(水木が遺したものを)守り、 そのまま引き継いでいかなきゃいけないと思っています」と亡き盟友への思いを語った。

 アニメ放送から47年、「ボルテスV」の精神は『ボルテスV レガシー』へと継承され、令和の日本で再び注目を浴びている。「ボルテスV」ファンの熱狂ぶりに驚いたという堀江は、「もっとたくさんの方に『ボルテスV』を知ってもらえたら嬉しい」と期待を寄せつつ、「ずっと応援してくださっている方々は、すごくピュアで優しい人ばかりだと思うんです。大人になっても『レッツ・ボルトイン!』したり、そういう気持ちをずっと忘れずにいてほしい。私もまだまだ歌い続けて、みなさんの小さい頃からの夢を、一緒に未来に運んでいけたらいいなと思っています」と意気込んでいた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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