映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(10月11日全国公開)でジョーカーと対峙するハービー検事の日本語吹替声優を務めた山田裕貴が10日、丸の内ピカデリーにて行われた公開前夜祭ジャパンプレミアに出席し、全世界で賛否真っ二つ状態の本作について持論を展開した。この日は、同じく日本語吹替声優の平田広明(ジョーカー役)と村中知(リー役)も来場した。
本作は、コメディアンを夢見る孤独な男アーサー(ホアキン・フェニックス)が、“悪のカリスマ”へと変貌した『ジョーカー』(2019)の続編。前作から2年後を舞台に、理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児となったアーサー/ジョーカーの裁判が描かれる。
アメリカを含む世界各国ではすでに劇場公開が始まっており、SNSでは絶賛と酷評の両意見が飛び交っている。すでに字幕版と吹替版で2回鑑賞している山田は「僕が思っていることは、正しいってわけではないのですが」と前置きしつつ、「普段生きていると、嘘をついたり、愛想笑いしたりするじゃないですか。そうやって“メイク”を1つずつ重ねていくと、本当の自分がどこにいるのか、わからなくなることってありませんか? それが結果、ジョーカーなのかなと思います。本当なんてどこにもない」と持論を展開する。
「多分、みなさんが(この作品を)観た後に思うことは全然違うんです。そうやって言い合って、賛否が生まれることが、この作品の狙いだったらどうしますか? と思います。今、世界中でずっとジョーカーのことで賛否を言い合っていたら、ジョーカーは生きたままなんです。そうなると(この作品の)思うツボなんです。終わらせるには、語らなくなることが1番。逆に言うと、賛否があろうが(ジョーカーの話題で)盛り上がってるっていうことに、変わりはないとすごく思いました」
山田また、自身が声を当てたハービー検事について「冷静すぎてやばい」と紹介。「もし法廷とかでジョーカーを見た時に、冷静でいられますかと。僕よりも若いハリー・ローティーさんが(ハービーを)演じていて、ものすごい余裕なんです。終始余裕が垣間見えて、何を考えてるかわからなかったんです」と語ると、先日のロンドンプレミアでキャスト陣にインタビューする際に「そういう意図があったんだ」と新たな発見があったといい、「その冷静さにも意味があるということに注目していただきたい」とこれから作品を観るファンにアピールしていた。(編集部・倉本拓弥)
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