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「SHOGUN 将軍」真田広之から激励メールが!話題の時代劇『侍タイムスリッパー』安田監督が明かす“奇跡”の連続

シネマトゥデイ 映画情報 2024年10月15日 6時32分

 SNSや口コミで話題となり、全国153館以上で拡大上映中のインディーズ映画『侍タイムスリッパー』を手がけた安田淳一監督がインタビューに応じ、米エミー賞を総なめにしたハリウッドの時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」にまつわる奇跡的なエピソードを明かした。

 『侍タイムスリッパー』は、落雷によって現代の時代劇撮影所にタイムスリップしてきた会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)が、「斬られ役」として新たな人生を歩むコメディー。8月17日に池袋シネマ・ロサの1館で封切られると、連日満席となる大反響を呼び、多くのリピーターを獲得した。

 2018年に社会現象を巻き起こしたインディーズ映画『カメラを止めるな!』とも共通点が多く、「第二のカメ止め」という声も上がっている本作。「『カメ止め』みたいになったらいいなという願望もありました」と話す安田監督は、ここまでの道のりを「奇跡の積み重ねだった」と振り返る。

 「いろんな人に助けてもらったり、TOHOシネマズの方がシネマ・ロサにたまたま映画を観にきてくれたり、シネマ・ロサで上映を始められたこともそうです。幸運にもいろんなことが重なって、ここまで来ています」

 本作の拡大上映がスタートした同時期に、ハリウッドでは「SHOGUN 将軍」が米エミー賞作品賞(ドラマシリーズ部門)、主演男優賞、主演女優賞を含む最多18部門を獲得した。安田監督は「『SHOGUN 将軍』との重なりもその1つです」と明かし、「『SHOGUN 将軍』はオーセンティックな撮り方で、時代劇をハリウッドに持っていきました。『侍タイムスリッパー』はまさにこれをやっています。今風の剣術アクションでなはなく、いわゆる古くからの立ち回りを、最高のクオリティーで撮ったつもりです」

 奇しくも『侍タイムスリッパー』で照明アシスタントを担当したスタッフは、ハリウッドでキアヌ・リーヴスのスタンドインを務めており、「SHOGUN 将軍」の主演・プロデューサーである真田広之とも交流があった。そこでも『侍タイムスリッパー』と「SHOGUN 将軍」を結びつけるある出来事が起きたという。

 「『侍タイムスリッパー』撮影中に、(そのスタッフが)真田さんに『遊びに来てください』と言う内容のメールを送ったそうです。そしたら、『東映(撮影所)の諸先輩たちによろしくお伝えください。懐かしいです。そちらも頑張ってください。今はロサンゼルスにいて行けませんが、皆さんによろしくお伝えください』とわざわざ返してくださったんです。(もしかすると『侍タイムスリッパー』の)存在がぼんやり(認知)されているのかもしれません」

 長編デビュー作『拳銃と目玉焼』公開の際に、自身のレーベル「未来映画社」を立ち上げた安田監督。「だんだん(映画の)作り方がわかってきて、『こうやったらお客さんが楽しんでくれる』というコツは、なんとなく今、自分の中にあります」と長編3作目で手応えを掴んだ様子。将来的なメジャー作品への挑戦については「もちろんオファーが届いたら、前向きに検討させていただきますし、僕が面白いと思っている企画は何本かあります。でも、そこまで甘い世界だとは思っていません(笑)」と慎重な姿勢を見せた。

 現在も全国各地で舞台挨拶を行うなど、さらなる拡大上映に期待が高まる本作。大手シネコンでの上映、大手企業・ギャガが配給に加わるなど、安田監督自身の取材ノルマはある程度達成したというが、「できれば表に出たくない、と言うのが本音です。僕よりも、映画に携わってくれた俳優さんたちが、もっともっと注目を浴びて、どんどん世の中に出ていってほしい」と力を込めた。「僕自身は有名になりたいとかはないです。沙倉ゆうのさん(山本優子役)、山口(馬木也)さんといった素晴らしい俳優さんにもっと光が当たって出ていってくれたらいいなと思っています」(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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