人気ロボットアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」(1977~1978)をフィリピンで実写化した映画『ボルテスV レガシー』の初日舞台あいさつが18日に都内で行われ、日本版声優の小林千晃、金城大和、花倉桔道、小市眞琴、中島愛、諏訪部順一が出席。さらに、フィリピンからマーク・A・レイエス・V監督と本作のメインキャストが来日し、客席からイベントを見届けた。
「超電磁マシーン ボルテスV」は、主人公・健一をはじめとする5名の若者たちが、合体ロボット「ボルテスV」に搭乗し、地球に飛来したボアザン星人の侵略軍に立ち向かう全40話のアニメ作品。フィリピンでは、原作認知度94パーセントと熱狂的な支持を獲得しており、原作を愛するレイエス監督がテレビシリーズ全90話と映画1本で実写化に成功した。
客席から登場したレイエス監督は「映像作家として、監督として、満席の客席を見るほど光栄なことはありません」と笑顔で客席に呼びかけ、「アニメシリーズを観ていたときはもちろん日本語で観ていたんです。それが頭にあったので、今回のみなさんの演技を見て、素晴らしい演技、吹き替えをしてくれたと感激しました。素晴らしいボイスアクターのみなさんです。本当にありがとうございます。フィリピンでもお仕事をしてくださるならボーナスをお支払いします」とユーモアたっぷりに話して、愛嬌を振りまいた。
吹替版に参加した小林は、本作を観てフィリピン制作チームの作品愛を強く感じたといい、「全部愛情だらけの作品です。原作アニメから続くロボットシーンの合体の場面がめちゃくちゃクオリティーが高くて。原作愛を感じてグッときました。楽曲も日本語版のまま流れていて、嬉しかったです」と感想を述べる。吹替にも工夫を凝らしたことも明かし、小林は「2時間ないくらいの尺の中でたくさん叫んで戦っていくんです。叫びのニュアンスを一つずつ変え、いろんな思いを込めて臨みました。叫びのシーンは他の作品に比べて数も多く、熱量を感じました」と振り返る。
中島も「コスチュームとか世界観が、アニメも踏襲しつつ、現代らしさ、今だからこそできる精密さを感じて、ビジュアルに魅せられました」と述べた。中島はお母さんがフィリピン人で、母親が早速この映画を見て「最高!」と感想を話していたことも明かした。
また、かつて東映のスーパー戦隊シリーズ「獣電戦隊キョウリュウジャー」でキョウリュウブルーを演じていた金城は、本作で声を当てたマーク・ゴードンは“青”がイメージカラーであることから、青のコスチュームが出て来たときに興奮して「ブルー!」と叫んだエピソードを明かし、笑いをとっていた。
諏訪部も「全てにおいて、フィリピンの方の愛情が感じられた。僕はこの作品(オリジナル)を小さい頃に観ていたんです。合体ロボットが地球侵略に来た敵を倒す。それがフィリピンでヒットしていると聞いて観返したら、こんなに深いドラマがあったんだなって思いました」と嬉しそうに感想を述べる。花倉も「放映当時は生まれてもいなかった。エンディングは特に愛が溢れていました。実写でそこまでやるかって思いました」と話していた。
(取材・文:名鹿祥史)
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