東映のロボットアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」(1977~1978)をフィリピンで実写化した映画『ボルテスV レガシー』(全国公開中)のマーク・A・レイエス・V(正式表記はマーク A. レイエス V)監督が来日インタビューに応じ、見どころの一つであるバトルシーンへのこだわりを明かした。
「超電磁マシーン ボルテスV」は、主人公・健一をはじめとする剛三兄弟、峰一平、岡めぐみの5人が合体ロボットに搭乗し、全宇宙の支配を目論むボアザン星の侵略軍と戦うストーリー。同作に感銘を受けたマークは、1本の映画と全90話のテレビシリーズで実写化。日本では、フィリピン版にはないシーンの追加、CGのクオリティーをさらに上げた“超電磁編集版”として劇場上映される。
劇中では、健一たちが乗り込むボルテスVとボアザン星人が送り込む巨大獣型ロボット「ビースト・ファイター」の手に汗握るバトルが描かれる。原作ファンであるマーク監督は、ロボットバトルを忠実に再現するため、マーシャルアーツを極めたフィリピンの格闘家に協力を仰ぎ、人間の動きをボルテスVに反映させた。
「バトルシーンは臨場感を出すために、格闘家の動きを見てアングルを決めて、そこからアニメーションやCGをつけていく工程を採用しています。人間の動作をプログラムで数値化したら、それを参考にロボットの骨組みやアニメーションを制作していきます。その後、ボルテスVのボディーなどを肉付けして、レンダリングしていきました」
またマーク監督は、ボルテスVやビースト・ファイターの重量感にもこだわり抜いており、「スタッフには『ロボットにも重さがある。だから絶対に速く走らせてはいけない』と伝えました」と事前に共有したという。製作チームが参考にしたのは、ギレルモ・デル・トロ監督が手がけたロボット映画『パシフィック・リム』だったそうで、「『パシフィック・リム』は、私たちがやりたいことをすでに成し遂げていました。イェーガーやKAIJUの動きを研究して、それに習いました」と振り返っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
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