統合失調症の症状があらわれた優秀な姉と、玄関に南京錠をかけて彼女を閉じ込めた両親の姿を、弟である監督自身が20年にわたって記録したドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』が、12月7日よりポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。
本作は、カメラを通して家族という他者と対話を重ね、社会からかけ離れた家の中を映し出す実録作品。8歳上の姉は両親の影響から医師を志し、医学部に進学したが、ある日突然、事実とは思えないことを叫び出した。統合失調症が疑われたが、医師で研究者でもある両親はそれを認めず、彼女を精神科の受診から遠ざけた。その判断に疑問を覚えた弟の藤野知明監督は、両親に説得を試みるも解決には至らず、わだかまりを抱えながら実家を離れたが、姉が発症したと思われる日から18年後、帰省ごとに家族の姿を記録しはじめた。(清水一)
藤野知明監督のメッセージ
姉はたくさん才能を持って生まれましたが、発症してからは、それを十分に発揮することなく、ほとんど独りで生きていました。
我が家の25年は統合失調症の対応の失敗例です。
どうすればよかったか?
このタイトルは私への問い、両親への問い、そして観客に考えてほしい問いです。
撮影も編集も拙いですが
見るに値するものが映っていると思います。
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