先週末(10月11日~10月13日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、過激な残虐描写が話題のホラー映画『テリファー』シリーズ第3弾『テリファー 聖夜の悪夢』が興行収入1,892万8,113ドル(約28億円)で首位デビューを飾った。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル150円計算)
考えうるなかで最悪の方法で人々に死をもたらすピエロ、アート・ザ・クラウンの凶行を描く本シリーズ。2022年に米公開された第2弾『テリファー 終わらない惨劇』は、あまりの残虐さに失神・嘔吐する人が続出したという口コミが拡散するにつれ、度胸試しをしようとする観客が映画館に次々と押し寄せる事態に。初登場10位→8位→7位とどんどんランクアップし、最終的に製作費25万ドル(約3,750万円)の約60倍となる世界興行収入1,506万5,239ドル(約23億円)を上げる大ヒットとなっていた。
その大ヒットを受け、第3弾『テリファー 聖夜の悪夢』の製作費は200万ドル(約3億円)にアップ。通常、映画館はレイティングを受けていない映画を上映したがらないが、この話題作を逃すのはあまりに惜しいということで、未レイティングのホラー映画では異例の2,514館という大規模公開が実現した。配給のCineverseはデジタルメインのエンタメ企業で、自社のストリーミングチャンネルやポッドキャスト、ホラー系ウェブサイトを活用。宣伝費をほとんどかけず、これだけのヒットを成し遂げたのも異例のことだ。
『テリファー 聖夜の悪夢』のイギリスプレミアでは11人が退場、うち9人はオープニングシーンの時点でギブアップしており、1人は嘔吐したというニュースも、観客の興味を引くのに一役買った。The Hollywood Reporter によると、大手シネコンを筆頭とした映画館は同作をR指定映画(17歳未満の観賞は保護者の同伴が必要)として扱っていたとのこと。公開3週目のファミリー向けアニメーション映画『野生の島のロズ』が先週好調だった理由には、保護者の付き添いのないティーンたちが同作のチケットを買い、その後『テリファー 聖夜の悪夢』上映シアターに忍び込んだからではないかとすらいわれているのだという。
祝日「先住民の日」だった月曜までを含めた4日間興収は、2,152万2,715ドル(約32億円)だ。クリスマスを舞台にした作品だけに年内いっぱいの上映が計画されているようで、今後どこまで数字を伸ばすかも注目される。(編集部・市川遥)
10月11日~10月13日の全米ボックスオフィスラキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『テリファー 聖夜の悪夢』
2(2)『野生の島のロズ』
3(3)『ビートルジュース ビートルジュース』
4(1)『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』
5(初)『ピース・バイ・ピース(原題) / Piece by Piece』
6(4)『トランスフォーマー/ONE』
7(19)『サタデー・ナイト(原題) / Saturday Night』
8(初)『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』
9(初・再上映)『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
10(初)『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』
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