俳優の役所広司が24日、TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『八犬伝』公開前日先行上映イベントに、共演の磯村勇斗、柔道家の阿部一二三と共に出席。磯村からの俳優としての熱い質問に、真摯（しんし）に答えていた。
山田風太郎の小説「八犬伝」を、『ピンポン』などの曽利文彦が実写映画化した本作。宿縁に導かれた8人の剣士たちが戦いを繰り広げる物語の世界と、その執筆に執念を燃やす江戸時代の戯作者・滝沢馬琴（役所）の世界を交錯させながら描く。
この日は、8人の剣士たちの戦いを描いた「八犬伝」の物語にちなみ、劇中で馬琴の息子・宗伯を演じた磯村が、役所に8つの質問をするコーナーが開催された。磯村は「いま俳優として達成したいこと」「俳優を長く続けるために大切にしていること」「俳優として諦めないこと」など熱い質問を役所にぶつける。
役所は照れくさそうに「いまだ芝居に満足したことはないですね」と語ると「でも次はうまくいくかもしれないという思いでやってきました。セリフが覚えられなくなるまで頑張りたい」と生涯俳優を続けていきたいという思いを告白。
また「長く続けるためには」という質問に、役所は「俳優も社会人、そこは大切に。しっかりあいさつをして遅刻をしないこと。映画はチームで作るものだから」と回答すると、磯村も「僕もパーソナルな部分は大切にしていきたいです」と同意していた。
この日は、東京オリンピック、パリオリンピックで金メダルを獲得した柔道家・阿部が作品の世界観に魅了され、イベントに参戦。阿部は「失明しても最後まで『八犬伝』を完成させようと諦めないことで、奇跡を起こすことができるんだと勇気と感動をもらいました」と作品に感銘を受けたことを明かす。
その言葉に、役所は「柔道家の心に響く映画なんだな……」としみじみ語ると「僕は大河ドラマで嘉納治五郎を演じたことがあるんですよ」と自身と柔道との繋がりについて言及。大河ドラマ「いだてん～東京オリムピック噺（ばなし）～」で、柔道の創始者である嘉納を演じていたことを引き合いに「多分、一二三さんは、この映画をけなすことはできませんね」とニヤリ。すると阿部は「（役所が演じた）馬琴さんを見て、妥協してはいけないなって強く感じました。これからも最高の阿部一二三を作り続けていきたいです」と宣言していた。（磯部正和）
映画『八犬伝』は10月25日より全国公開
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